万之瀬川河口域のハマボウ群落及び干潟生物群集 南さつま市加世田益山
鹿児島県教育委員会HP「鹿児島県の文化財」による説明は、次のとおり。吹上海浜公園の東側となる万之瀬川河口域に説明板がある。
万之瀬川河口域のハマボウ群落及び干潟生物群集
【所在地】南さつま市加世田益山字川原田,字上川原田,字吉田,字千寄地
【種 別】国指定天然記念物(植物・動物)
【指定年月日】平成19年2月6日
南さつま市北部に位置する万之瀬川は薩摩半島最大の河川で,南九州で最大規模の河口干潟が発達している。河口から約1.5km上流の左岸,準用河川荒田川が万之瀬川に注ぐ合流地点から上流にかけて泥質や砂泥質の干潟がよく発達し,1km以上にわたり1000株以上に及ぶハマボウの大群落が成立している。砂泥質の干潟付近では,アイアシやナガミノオニシバなどからなる塩沼地植生,砂質の部分ではハマゴウやコウボウムギなどの砂丘植生も発達している。
ハマボウ群落周辺の砂泥干潟には,日本最大規模の生息地として知られるハクセンシオマネキをはじめとしたカニ類が群生し,河口付近では,自然分布のハマグリの南限個体群を含む各種二枚貝,多毛類・貧毛類などの環形動物,紐形動物,甲殻類など多くの干潟生物が生息している。
これらの干潟動物を餌として,渡り鳥などの重要な生息地にもなっており,クロツラヘラサギなどの希少種を含め多くの野鳥が確認されている。最大規模のハマボウ群落及びハクセンシオマネキ群集を含む多様な干潟生物生育する地域として学術的価値が高い。