天降川流域の火砕流堆積物  霧島市(天降川、久留味川)

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

天降川流域の火砕流堆積物  霧島市(天降川、久留味川)

鹿児島県教育委員会HPの「鹿児島県の文化財」による説明は、次のとおり。
鹿児島県牧園町の新川渓谷遊歩道に架かるラムネ橋から上流へ天降川・久留味川それぞれ約2キロの範囲が国の天然記念物に指定されている。

天降川流域の火砕流堆積物
【所 在 地】霧島市(天降川、久留味川)
【種別】国指定天然記念物(地質)
【指定年月日】平成25年3月27日

南九州の台地はシラス台地とよばれ、巨大なカルデラから噴出した火砕流堆積物から構成される特徴的な地層から構成されている。鹿児島湾に注ぐ天降川中流域及びその支流の久留味川は渓谷をなし著しい穿入蛇行を示すとともに、河床には甌穴が発達する。流域の河床及び河岸の崖には、シラス台地を構成する主要な三つの火砕流堆積物などがみられる。古い順に➀加久藤火砕流;約30万年前に、現在の鹿児島県湧水町、宮崎県えびの市、小林市にまたがる加久藤カルデラから噴出し、大隅半島から熊本県人吉地方までを覆った。➁阿多火砕流;約10万年前に現在の鹿児島湾湾口部の阿多カルデラから噴出し、南九州を広く覆った。➂入戸火砕流;2.5〜2.2万年前に現在の鹿児島県北部の姶良カルデラから噴出し南九州を広く覆い、火山灰(AT火山灰)は遠く北海道まで飛散している。の堆積物が良好に発達する。また、蛇行する河川を短絡させたトンネルや周辺の水田に導入した手掘りの水路など、加工がし易い火砕流堆積物を巧みに利用した人工物も見られる。
天降川の流域では、南九州のシラス台地の主要な構成要素である三つの火砕流堆積物などが良好に発達するほか、火砕流堆積物と暮らしてきた痕跡が見られるなど、この地域の風土を理解する上で欠かせない要素がそろっている。