大正十一年頃のガラス写真 81 鯉のぼり
「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
「大正十一年頃のガラス写真」
整理番号 81 (鯉のぼり)
■ 確認結果
「ガラス写真」とは、感光する写真乳剤を塗ったガラス板を写真機にセットして撮影した後、乾板をもとに写真を焼き付ける。フィルムが普及する前の明治から昭和にかけてよく使われた(朝日新聞キーワード解説)。
スタジオアートアイ制作CD「大正十一年頃のガラス写真」は、長崎を撮影していると思われる
308枚の写真。整理番号のみで、撮影地はまったくわからない。心当たりの場所を探してみる。
整理番号81の鯉のぼりの写真は、長崎市上小島1丁目の高台から愛宕山方向を撮影しているのではないか。東小島公園から長崎女子高等学校へ向う狭い車道がある。学校正門の少し手前あたりからなら、愛宕山のなだらかな西稜線の奥に、英彦山(標高385.6m)?の山頂がこのようにわずかに覗く。
鯉のぼりが立っている場所は、この付近に大正の同時期あった温室栽培「翠紅園」の一角と思われるが、「翠紅園」は現在、調査中。
あと1枚の整理番号262、鯉のぼりの写真は、次の記事を参照。
https://misakimichi.com/archives/3694