長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:5247 茂木街道田上竹林(1)
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
目録番号:5247 茂木街道田上竹林(1)
〔画像解説〕
大正初期の田上付近の竹林を撮影した絵葉書写真である。田上には元禄11(1698)年向井去来がこの地の千歳亭を訪れて「名月や田上にせまる旅ごころ」の句を詠んだ。この町から採れるタケノコは古くから田上タケノコとして有名である。写真は明治18(1885)年に新道として整備された旧県道である。
■ 確認結果
データベース目録番号:5247「茂木街道田上竹林(1)」の画像解説は、「大正初期の田上付近の竹林を撮影した絵葉書写真である。…写真は明治18(1885)年に新道として整備された旧県道である」としている。最近の長崎市茂木支所HP「茂木をたずねて」の中の「懐かしい写真」が、この写真を取り上げている。
http://www.city.nagasaki.lg.jp/kanko/820000/827000/p023389.html
同111頁の解説は、「大正初期の絵葉書写真で、「長崎茂木街道田上竹林」とある。現在地は特定できていない」
撮影地のひとつの候補地として考えられるのは、明治18年(1885)に新道として整備された旧県道の転石からつづら折りで下る道。平口橋の右斜め上となるあたりのカーブ地点である。左側の畑の状況が似ている。
背景の山の稜線が、古写真では竹林、現在の写真では自動車道橋梁にさえぎられ、全体をはっきり確認できない。茂木支所の方で、詳しい調査をお願いしたい。