長崎の古写真考 長崎古えはがき 長崎市ノ景

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長崎の幕末・明治期古写真考 長崎古えはがき 長崎市ノ景

長崎大学附属図書館幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。

NAGASAKI GENEI
長崎古えはがき 長崎名所写真帳  長崎市ノ景

■ 確認結果

「NAGASAKI GENEI」というサイトがある。ウェブ検索でなかなか表れないが、長崎の貴重な古絵葉書や古写真を多数、公開されている。
タイトル以外、特に説明がない。撮影地など一般にわかりにくいものを、取り上げ考えてみる。

長崎古えはがきの長崎名所写真帳19枚目にある「長崎市ノ景」。密集した町の中に1本の通りが左上へ伸びる。中央右上に高い石垣の大きな寺院がある。
この通りは「寺町通り」で、右上寺院は長崎市鍛冶屋町の「大音寺」だろう。その少し左側に写る寺は「皓台寺」と思われる。

撮影地は「寺町通り」をまっすぐ手前に伸ばして考えると、現在の西小島1丁目の「大徳寺公園」。大クスノキ(県指定天然記念物)のある神社あたりからとなる。大音寺本堂の向きが合う。参道左の赤く彩色した木は、クロガネモチ(市指定天然記念物)の大木だろう。
背後の山の稜線が、現在とは合致しないが、伊能忠敬研究会入江氏の見解は次のとおり。

「長崎市ノ景」は大音寺と晧台寺方向を撮影していると思います。赤く着色された木の左下に大音寺の中門が写っています。そして大音寺の右下に本石灰町の「満知多座」も写っています。幟が何本か立っている建物です。
この位置関係から大徳寺のあった高台、大クス付近から撮影されたものだと考えられます。大音寺の背後の山の稜線は右側が不自然で、若干塗りつぶされているようです。