長崎外の幕末・明治期古写真考 写真の幕あけ 101 医 者
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
日本写真全集 1 写真の幕あけ
88頁 101 医 者 撮影者不詳 明治中期 鶏卵紙に着色 四切
〔画像解説〕
医者は漢方医。脇差を腰にした医者が、薬箱をひろげ、中年の女房の脈を入念にみているという設定で、その表情が面白い。
目録番号:4079 脈をとる医者(3)
〔画像解説〕
女性患者の脈をとる坊主頭の医者。医者の傍には往診用の薬箱と引き出し。女性の傍には髪をくずさないための高枕が置かれ、ここにピントが合っている。セットされたスタジオで撮られた外国人向けの彩色写真と思われる。
■ 確認結果
「日本写真全集 1 写真の幕あけ」小学館昭和60年発行の88頁にある「101 医者」は、撮影者不詳となっている。
データベースの目録番号:4079「脈をとる医者(3)」も、撮影者:スチルフリードであるが、「F.ベアト」の撮影ではないだろうか。
横浜開港資料館編「F.ベアト写真集1 幕末日本の風景と人びと」明石書店2006年刊154頁に「204.患者の脈をとる医者」として掲載されている。
同写真集2の64頁にも、同じ写真「92.医師と患者」がある。
この項は、本ブログ次を参照。 https://misakimichi.com/archives/2814