武功山の刻み石  長崎市鳴滝3丁目

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武功山の刻み石  長崎市鳴滝3丁目

本河内または鳴滝から武功山を通って、烽火山へ登る登山道がある。大荷床手前の高いピークが武功山である。標高は340mくらい。山道の登りで1時間以上かかる。
先日、陸門氏(長崎歴史文化協会員)から、武功山のピーク岩背面に「徳太郎」「深山」らしいと読める字の刻みがあった。お堂があった跡らしく、越中・原田先生に聞いてもわからず、刻字の文献がないか、問い合わせがあった。

武功山までの途中には、近年の長崎私有林と水道用地標柱を10本ほど見る。各ピークの上には、自然石を地蔵のように積んでいたのを3ヵ所見るが、刻字まではこれまで岩面を気をつけて見たことがなかった。
中尾氏が調べてくれた。松浦東渓が文化8年(1811)脱稿したという「長崎古今集覧」の、森永種夫氏校訂昭和51年発行長崎文献叢書上巻348頁に、次のとおり「武功山」の記述があるが、これ以上はわからない。

武功山附仙人巌

図志曰鎮東北俗名二 向分(ムカイブン)一 松樹鬱蒼翠色一、乃為二 真道ノ旧塁一 中有二 仙人巌臥龍松斑虎石石鞍山刀落(ナタオトシ)之境 ○又曰仙人巌在二 武功山旧塁之東一 臨二 一瀬渓一 万治中樵夫適見二 一老人一 朱顔白髪草衣而座二 巌上一 還聞二 里胥即発レ 衆偏訪竟不レ 見二 其蹝一 因白レ 官或云山神時見レ 形也其後土人往々遇老人蘿衣扶レ 杖而立 △真道ハ長崎七家ノ一

私も武功山へ登り、ピーク岩を確認したが、背面に字らしきものは見つけきれなかった。手前の地中に埋もれた別の丸い石に、「奉」の字がかすかに浮き出ていたようなのは確認できた。
後日わかったのは、刻字がある石は、積み上げた下の大きな方の石。裏面に小さき字で、「徳太郎」と刻んでいるのは読めた。