長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:4534 消防出初式
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:4534 消防出初式
■ 確認結果
目録番号:4534「消防出初式」は、米国セイラム・ピーボディー博物館所蔵「モースコレクション/民具編 モースの見た日本」小学館2005年刊178頁に、「413 消防出初式 Fireman‘s
festival ca.1890」として掲載がある。
撮影場所の解説はないが、撮影年代は「1890年頃」となっている。
消防出初式の同じような光景は、3枚目の写真とおり「モース・コレクション/写真編 百年前の日本」小学館2005年刊42頁にも掲載がある。同解説は次のとおり。
50 横浜・吉田橋上での消防出初式 ca.1890
吉田橋(1869・明治2)は関内への入口にあり、日本最初の鉄製橋である。右手の建物は横浜を代表する寄席、富竹亭(1885・明治18)。橋上では出初式が行われている。
モース・コレクションの2枚を比較すると、ともに橋上での出初式。撮影の向きを変えただけ。赤白旗、橋上の構造物、半被などは同じと思われる。したがって、目録番号:4534「消防出初式」も、横浜・吉田橋上での消防出初式 1890年頃撮影となるのではないか。