熊野磨崖仏 豊後高田市平野
両子寺から走水峠へ出、県道31号により大田へ下る。広域農道の鋸山トンネルを通って、熊野社へ行った。
現地説明板は、次のとおり。
熊野磨崖仏
1 所 在 地 豊後高田市大字平野字登尺
1 国史跡指定 昭和30年2月15日 国重要文化財指定 昭和39年5月26日
1 解 説
大岩に刻まれた仏は向かって右が大日如来、左が不動明王で、熊野磨崖仏とよばれている。
大日如来は高さ6.8m、如来にふさわしい端正な顔形で、頭部上方には三面の種子曼荼羅が刻まれている。
不動明王は高さ8m、憤怒相でなく柔和な慈悲相であるのは他の石仏にみられない珍しい例である。
六郷山諸勤行等注進目録や華頂要略などにより磨崖仏は藤原時代末期(約900年前)の作と推定されている。
厚肉彫りの雄大、荘厳な磨崖仏であるため国指定史跡でありながら美術工芸品としての価値が高いものとして国の重要文化財指定を併せ受けたのである。
伝説では、磨崖仏は養老2年(718年)仁聞菩薩が造立したと伝えられ、近くの山中には「御所帯場」とよばれる作業時の宿泊所跡がある。また参道の自然石の乱積石段は鬼が一夜で築いたと伝えられている。
熊野磨崖仏管理委員会