姫 島  東国東郡姫島村

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姫 島  東国東郡姫島村

2011年10月31日、国東市国見町伊美港から姫島村営「フェリー 第2姫島丸」午後の便で姫島港に渡る(所要時間20分)。姫島島内を反時計回りにより一周した。
姫島村HP「瀬戸内海国立公園 大分県 姫島」による島の概要は次のとおり。「ひめしま散策ガイド」「姫島伝説浪漫」(ズーム拡大)は、同村パンフレットから。

1 島の由来
古事記によると伊邪那岐命、伊邪那美命の二柱の神が「国生み」にさいし、大島を生み、次に女島を生むとある。この女島が姫島で、またの名を「天一根」という。また、日本書記によると、垂仁天皇の御代、意富加羅国(今の韓国南部)の王子都怒我阿羅斯等が、ある日黄牛に田器を負わせて田舎に行くと、牛がいなくなった。捜していると老翁が現わて、「おまえの捜している牛は郡公が殺して食った。」という。阿羅斯等は郡公の館に行って牛の代償を求めると、郡公は白石を与えた。阿羅斯等は白石を持ち帰り寝室に置くと、美女となった。阿羅斯等は大変喜んで求婚すると、美女は忽ち消えてしまった。阿羅斯等が追い求めると、美女は海を渡って日本国に至り、比売語曽の神となった。姫島の名前の由来はここからはじまる。

2 位置と地形
瀬戸内海西端の離島で、国東半島の伊美港より北へ6kmの地点にある。東西7km、南北4km、総面積6.79k㎡とういう東西に長い島で、中央に矢筈山266.6mがそびえ、西に達磨山105m、北に城山62mがてい立し、その中に村落がかたまっている。四面海に囲まれて水産資源に富む地形にあり、島周辺は魚の宝庫となっている。奇厳断崖の海岸線など、風光絶景で瀬戸内海国立公園の一環をなしている。

3 人口=2,469人 世帯数=951世帯 (平成17年国勢調査)

4 交通アクセス 
大分空港から伊美港まで車で40分、JR宇佐駅から伊美港まで車で40分、伊美港から姫島港までフェリーで20分。

5 文化遺産
(1)村指定有形文化財 姫島庄屋古庄家 (写真 26〜29)
古庄家の屋敷は、第11代小右衛門が天保13年より3年の歳月をかけて完成しました。敷地は約550坪一部二階建ての寄棟造りで延建坪は129坪です。庭園、お成りの間等、旧庄屋の格式を伝える貴重な建物です。
(2)その他の文化財 大帯八幡社本殿 (写真 30) 
村民尊崇の産土の神です。元治元年の大火で旧記・古文書等を消失したので、その由緒等はあきらかではありません。しかしながら大帯八幡社の社名を記した正和元年(1312年)の棟札が広島県呉市に鎮座する亀山八幡宮に現存する事からその古さを伺い知ることができます。江戸時代には杵築藩主松平家累代安産の祈願所でありました

6 天然記念物
(1)国指定天然記念物 姫島の黒曜石産地 (写真 23〜25)
姫島の黒曜石産地は、地表に露出し観察が容易な黒曜石産地として、北海道の十勝(白滝地方)や長野県霧ヶ峰周辺などと並び全国的に貴重です。露天の黒曜石は、観音崎一帯に見られ、この黒曜石が波に洗われる様は壮観で、他では見られない景観となっています。また、全国の黒曜石が黒色であるのに対し、姫島産黒曜石は乳白色を呈し、極めて特徴的です。
黒曜石は火山の岩漿が地表上に噴出して急速に固まった火山岩の一種です。石器時代には「矢じり」などに重用され、特に縄文時代に利用の急激な拡大がみられます。姫島から海を渡って運ばれた黒曜石が、九州だけではなく四国や中国地方の遺跡からも出土しています。(平成19年
7月26日指定)
(2)県指定天然記念物 地層褶曲 (写真 6〜 8)
地層褶曲は、2つの固い層に挟まれた軟弱な層に地殻の変動等で側圧が加えられ、地層中に唐草瓦のような模様が連なってできた地層です。(昭和34年3月20日指定)

7 姫島七不思議伝説
姫島は昭和25年、瀬戸内海国立公園に指定されています。伝説の島といわれる姫島には、お姫様にまつわるものなど数多くの言い伝えがあり、姫島七不思議として語り継がれています。
(1)阿弥陀牡蠣
灯台の下の海蝕洞窟内の海面から上2米位の所に「牡蠣」が群棲し海水につかることがなく、食べると腹痛を起こすといわれています。その牡蠣が阿弥陀三尊の形に似ているので、この名があります。
(2)浮 田
大昔、池に大蛇が棲んでいた。誤って、この大蛇を埋めてしまったため大蛇の怒りで田が揺れるといわれています。
(3)拍子水
お姫様がおはぐろをつけた後、口をゆすごうとしたが水がなく、手拍子を打って祈ったところ水が湧き出したので拍子水といいます。
(4)かねつけ石(別名 おはぐろ石)
お姫様がおはぐろをつける時、石の上に猪口と筆をおいたところ、その跡ができたといわれています。
(5)逆 柳 (写真 13〜14)
お姫様が使った柳の楊枝を土中に逆さまに挿したところ、芽を出したので逆柳といわれています。
(6)浮 洲 (写真 18)
沖合の小さな洲に漁業の神様、高倍様を祀っており、高倍様と鳥居は高潮や大しけの時でも決して海水につかることがないというのでこの名があります。
(7)千人堂 (写真 22)
観音崎に馬頭観世音を祀った小さなお堂があります。大晦日の夜、債鬼に追われた善人を千人かくまうことができるのでこの名があります。

8 アサギマダラ (写真 15〜16)
アサギマダラは、渡りをする優雅な蝶で、みつけ海岸に自生するスナビキソウの蜜をもとめて、5月上旬から6月上旬にかけて、南の地から飛来し、休息した後、涼しい北の地に向かって飛び立ちます。
北の地で世代交代した蝶が、10月中旬頃、金地区に自生するフジバカマの花の蜜をもとめて、北の地から飛来し、休息した後、暖かい南の地に向かって飛び立ちます。

9 姫島海水浴場 (写真 4〜 5)
島内で一番美しく、広さも最大の砂浜です。弓状に弧を描く500mの海岸線は澄んだ海とマッチして美しい景観です。海岸の施設にはビーチハウス、トイレ、シャワー室、休憩所が完備されています。

10 拍子水温泉 (写真 12)
姫島村健康管理センター。七不思議のひとつである拍子水(炭酸水素塩冷鉱泉)を活用したもので、村内外の多くの人に利用されています。この温泉は、糖尿病、高血圧症、慢性皮膚病、神経痛、慢性消化器病等に効能があります。この拍子水温泉では、源泉に温水を加えた温泉(41℃前後)と、源泉(約25℃)の2種類を利用する事ができます。