長崎外の古写真考 目録番号:6645 金沢城(1) ほか

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:6645 金沢城(1) ほか

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。

目録番号:6645 金沢城(1)

目録番号:3465 琵琶湖唐崎の松(7)
〔画像解説〕
また、「近江八景」の1つ、「唐崎の夜雨(からさきのやう)」で有名な、通称「唐崎の松」。写真は2代目の松にあたり、東西72メートル、南北86メートル、高さ10メートルある巨松で、横に伸びた枝は湖上にまで突き出し、数多くの添え木や石垣で、その枝を支えている。この松は大正10年(1921)に枯死し、現在では3代目の松を同地で見ることが出来る。

目録番号: 741 海岸の民家
〔画像解説〕
大きな石の連なる海岸。岸辺からすぐ山が立ち上がっているのであろう。山から引いた水が樋から勢いよく流出し、その下で男がその水を浴びている。単なる水浴びなのか、別に意味があるのか不明である。

■ 確認結果

目録番号:6645「金沢城(1)」などは、学習院大学史料館編「明治の記憶ー学習院大学所蔵写真」吉川弘文館2006年刊49〜57頁に、「4 明治11年(1878)明治天皇北陸・東海両道巡幸写真」として掲載されている。同解説は次のとおり。
この巡幸には、当初写真師長谷川吉次郎が随行の予定であったが、出発以前に吉次郎発病のため、代理に古賀焼・山際長太郎の2名が随行した。(43頁)

9 金沢旧城三之丸
戒厳態勢の下に10月2日午後に金沢入りした天皇は、4日旧金沢城内にある金沢屯営歩兵第七連隊に行幸した。本図は、石川門内の金沢城三之丸東側から西南のニ之丸方向を撮影したもので、右から河北門・ニの丸菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門が写っている。これらの建物群は明治14年(1881)1月10日の火災で全焼した。

12 唐崎松
滋賀県大津市下阪本町所在。唐崎は平安時代に七瀬の祓所の一つとされ、そこに生える唐崎松は「唐崎の一つ松」とされ近江八景のうち「唐崎夜雨」として著名。

21 熱海山之湯滝
静岡県熱海市の中央部にある熱海温泉は、奈良時代から万病に効く霊湯として知られ、近世には将軍家をはじめ、東海道を往来する諸大名や江戸の町人まで湯治に利用した。2枚の写真は、海岸の温泉宿から流出する筧の湯を浴びる男性を撮影したもので、明治天皇の巡幸路とは無関係だが、台紙の状況等から明治5年(1872)巡幸時に撮影したもので、明治8年に没した写真師内田九一の撮影と推定できる。

目録番号: 741「海岸の民家」は、本ブログの次の記事も参照。
https://misakimichi.com/archives/2366