長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:3149 芦ノ湖からの富士山(3)
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:3149 芦ノ湖からの富士山(3)
〔画像解説〕
目録番号5080・4147とほぼ同じ構図である。芦の湖畔の元箱根からの景で、手前の芦ノ湖、右手の箱根神社の杜、左手の三国山の裾野、その奥に台形の均整の取れた富士山を望む構図は、箱根を代表する風景として著名である。ただ、山体が湖面に映るいわゆる逆さ富士である点が他と異なっている。
■ 確認結果
目録番号:3149「芦ノ湖からの富士山(3)」は、〔撮影者:日下部金兵衛〕ではないだろうか。
小沢健志氏編「新版 写真で見る 幕末・明治」世界文化社2000年刊72頁に、「箱根の湖
1890年代 金幣アルバム」として掲載されている。同解説は次のとおり。
箱根の湖 1890年代 金幣アルバム
箱根外輪山内にひょうたん形に横たわるカルデラ湖。湖面に映るさかさ富士は美しい。現在は観光船やボートなどが行き交い、大いに賑わっている。