長崎外の古写真考 目録番号:2368 アイヌの女性たち(1) ほか

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:2368 アイヌの女性たち(1) ほか

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。

目録番号:2368 アイヌの女性たち(1)
〔画像解説〕
3人ともに、かつて成人女性が行った口唇の文身をしている(彩色されず?)。耳には玉つきのイヤリング。両端の2人は、アップリケの上に刺繍を施した木綿衣を着用し、房つきの首飾りをつけている。前方中央には儀礼に不可欠なセット(和製漆器椀と捧酒箆)、右後方には木幣(inaw)がある。

目録番号:2369 アイヌの老人
〔画像解説〕
男性が儀礼の際に用いる幣冠(先端には何かの偶像つき)をかぶっている。アップリケに文様が刺繍された衣服を着用。さらに陣羽織を着て、右手に木幣を持つ(いずれも目録番号2368の右方にあるものか)。儀礼用の太刀(emus)を佩いている。儀礼の際の服装をイメージした写真。

目録番号:3014 アイヌの男性たち(1)
〔画像解説〕
左の2人は、木綿衣の上に毛皮のコートを着て、わらじを履いている。右端の男性は毛皮の背中当てをしている。いずれもすねには脚絆をしている。中央の男性(目録番号3910と同じ男性)は、帯のあたりにナイフの鞘(?)と煙草入れを提げている。

目録番号:3910 アイヌの男性たち(2)
〔画像解説〕
目録番号3014の中央の男性と同一人物だろう。同じ毛皮のコートを着ている。右手に持っている太くて長い棒、さらに左手に持っている短くて細い棒が何の目的に使われるものかは不明。

■ 確認結果

長崎大学古写真データベースの「アイヌ」関係作品。修正を要すると思われるもの。
1枚目の目録番号:2368「アイヌの女性たち(1)」、及び2枚目の目録番号:2369「アイヌの老人」は、同じ写真スタジオのような所で撮影されているが、ほかの「アイヌ」関係作品と同様、〔撮影地域:北海道〕として整理して良いのではないか。

目録番号:2369「アイヌの老人」は、古写真販売弘文堂HP「古写真 > 日本 | 幕末・明治・彩色古写真 アイヌの長老」に次のとおり説明している。
盛装して刀を差し伝統の宝物を手にしたアイヌの長老です。かなり古い写真のようです。敷物が幕末期の写真スタジオによく見られるものですが詳細は不明です。全体に経年の日やけがありますが写真は鮮明で台紙に貼ってあります。

3枚目の目録番号:3014「アイヌの男性たち(1)」は、古写真販売jp:HP「幕末明治時代 日本古写真 アイヌ」には、〔撮影者:スチルフリード〕として販売されている。
中央の男性が、4枚目の目録番号:3910「アイヌの男性たち(2)」と同一人と見られる。4枚目が〔撮影者:スチルフリード〕なら、3枚目も同じ可能性が考えられる。