長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:1202 和船(2)
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:1202 和船(2)
〔画像解説〕
港に停泊している5艘の和船であるが、皆同型のようである。整理番号6-27「和船(1)」は帆を上げているが、同じ型である。これらの船は江戸中期から明治半ばまで活躍した北前船である。
■ 確認結果
目録番号:1202「和船(2)」は、東京の佃島前の風景である。石黒敬章編「明治・大正・昭和 東京写真大集成」新潮社2001年刊の261頁に、次のとおり解説している。
【大川に停泊中の荷船】Ⅱ12−10
同じ写真を大阪としている写真集があり惑わされたが、これは東京である。Ⅱ12−06と背景の家並みが同じであるし、帆柱の間に住吉神社の屋根も垣間見えるから、バックは佃島である。
一見したところ石川島灯台がないように思えるが、手前の弁財船の船尾の上部に、チラリと小さく見える屋根が灯台らしい。随分低い灯台だった。Ⅱ12−07の右に見える白い倉庫が、灯台より少し右手にあるから位置関係は合っている。〔Y〕