長崎外の古写真考 目録番号:2046 洋傘をさす二人の女性

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:2046 洋傘をさす二人の女性

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。

目録番号:2046 洋傘をさす二人の女性
〔画像解説〕
現代のスナップ写真と同じである。住宅地の一画で、外出姿の2人の中年女性を気軽に撮影した、日常性を感じさせる写真である。着物や髪型から見て昭和に入ってからの写真と思われる。

目録番号:2025 田圃の畦道を歩く紳士と淑女
〔画像解説〕
田圃の畦道を歩く紳士と婦人を撮影する。田圃は田植えが行われて日が浅く、水田には小さな苗が整然と植えられている。帽子をかぶり上着を左手に抱えた洋服姿の紳士と、黒のコウモリ傘を陽傘かわりに差した着物姿の女性が手前に向かって歩いて来る。背後の山並みから考えると、撮影場所は南山城か山科の田園地帯と想像される。

目録番号:2037 春日大社参道(5)
〔画像解説〕
参道を歩く和服姿の女性。同一人らしき人物が整理番号46-125(注 目録番号:2031「神社の境内(1)」掲載略)の写真に見える。

目録番号:2045 伊勢神社参道
〔画像解説〕
「お伊勢さん」の名で知られる伊勢神宮は、天照大御神を祭神とし、3種の神器の1つ八咫鏡を神体とする皇大神宮(内宮)と、豊受大神宮(外宮)から成る。伊勢参りは、庶民の観光の1つとして人気が高かった。

■ 確認結果

目録番号:2046「洋傘をさす二人の女性」は、この写真だけ見たら、画像解説はそうなる。「昭和に入ってからの写真と思われる」と説明しているのだろう。
洋傘を持つ「二人の女性」は、目録番号:2025「田圃の畦道を歩く紳士と淑女」、目録番号:2037「春日大社参道(5)」などに、同一人らしい女性が写されている。

撮影者とその友人の近畿旅行に案内同行した女性と思われる。二人の帯や着物の色が変わっている点は、その前が目録番号:2045「伊勢神社参道」であり、「住宅地の一画」ではなく、伊勢志摩などの旅館前で撮影された可能性がある。

整理番号46番台の写真(データベース目録番号:1907から目録番号:2097まで197作品)は、中国と日本を撮影した個人アルバムの写真。そのため前記事によりふれたが、一連の作品として見ることが必要だろう。
撮影年代は未詳。撮影者の旅行がいつだったかによる。カラー写真や洋傘も明治時代からあったようである。「明治時代の傘の広告」は、HP「傘物語」洋傘の歴史から。