巨岩の漢詩(題詩刻石二首) 愛宕山頂神社左横
長崎市中央部、愛宕山頂(標高224m)の愛宕神社にある。社左横の巨石に漢詩二首が刻まれている。「文筆峰」の巨石の隣りである。
岩永弘著「長崎周辺”石・岩・陰陽石”」2002年新春刊40頁による説明は次のとおり。
愛宕山頂、「文筆峰」の隣に高さ3mの巨石があり、石の表と裏に漢詩が刻まれている。
崇福寺六代、道本禅師が愛宕山に登った時に詠んだ詩である。道本禅師は享保4年(1719)56才で渡来し、詩文・書を良くし68才で示寂した。詩を簡訳すると「緑色の靄の中に高く浮かぶ愛宕山の岩石に青松は生え、下界の変遷、人間の喜び悲しみを幾重にも見てきた。…以下略」
因みに、国宝崇福寺第一峰門の双額「天空海闊無雙地」「虎伏龍野不二門」は同禅師がかけたものである。
漢詩については、「長崎市史」愛宕山の項に記されている。
正面 甲辰四月登愛宕山 題詩刻二首
道本
翠靄浮天第一峰 雲根盤薄畳青松 遊人漫為悲陵谷 閲遍滄桑是幾重
裏面
遊山豈必春時比 日澄臨悟可治漱 緑新陰??幕碧 雲堆裏坐題詩時
享保九年歳在甲辰四月 ←寛文四年(一六六四)
立夏擇道奉来遊題與