長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:1486 海岸の洞窟
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:1486 海岸の洞窟
〔画像解説〕
遠景にアーチ型のトンネルが見える。しかしこれは自然の洞窟であるらしい。洞窟の入口に人が立っているが、非常に小さく見えるので、この洞窟がいかに大きいかが分かる。場所は特定できない。
■ 確認結果
目録番号:1486「海岸の洞窟」は、場所を特定できないとあるが、新潟県柏崎市鯨波の「鯨波海岸」である。
平凡社「大日本全国名所一覧 イタリア公使秘蔵の明治写真帖」2004年11月 初版第二刷発行の261頁 越後之国に同じような写真が「鯨波之図」として掲載されている。同解説は次のとおり。
② 鯨波の図 米山の山麓が日本海に落ちこんで海蝕崖の奇景を呈し、景勝の地とされてきた。慶応4年(1868)、北国街道を下ってきた西軍と、桑名藩を主力とする東軍が最初に合戦した地である。
「御巡幸」とあるのは、明治天皇が明治11年8月30日〜11月9日、北陸・東海道を巡幸している(一覧307頁)。「内田九一」撮影かはかわからない。
鯨波海岸は、明治時代から「塩湯治」で賑わった。現在は「日本の渚百選」に選ばれた新潟県を代表する海水浴場となって、県内外から人が多い。
現在の写真は、新潟県公式観光情報サイト「にいがた観光ナビ」などから。
古写真の遠景に、アーチ型のトンネル?が見えるのは「鬼穴」と思われるが、状景がぴったり来ない。地元で検証をお願いしたい。
資料・写真は、「GPSウォーキング GPSwalking e旅歩き旅69日目 柏崎〜柿崎」による。
http://www.55walking.com/tabi/061101/index.html