長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:6224 薩摩藩士 ほか
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:6224 薩摩藩士
目録番号:6306 外人墓地
■ 確認結果
この古写真は、朝日新聞社”写真集 「甦る幕末」 オランダに保存されていた800枚の写真から”1986年刊の、外国人を殺害した「攘夷事件」の項に掲載されている。
目録番号:6224「薩摩藩士」は、写真集129頁に「外国との交渉に臨んだ薩摩藩の代表」と、目録番号:6306「外人墓地」は、写真集133頁に「横浜・外人墓地。リチャードソンの墓からオランダ船長らの墓を望む」と解説している。
薩英戦争の引き金となった生麦事件(1863)などに関係する写真と思われる。データベースのタイトルはあまりに一般的すぎ、簡単な説明が必要ではないか。
目録番号:6306「外人墓地」は、撮影年代が事件と合わない。
なお、目録番号:6224「薩摩藩士」の作品は、「甦る幕末」のもう1冊の新版「写真集 甦る幕末 ライデン大学写真コレクションより」朝日新聞社 1987年刊の167頁には、次のとおりタイトルなどが変更され解説がある。
作品 195:和平交渉に臨んだ日本側使節
写真の添え書きに「薩摩の使節と幕府の全権大使」とある。薩摩藩の正使・岩下佐次右衛門を始めとする重野厚之丞、樺山舎人、能勢二郎右衛門の4人と、立ち会い人となった幕府外国奉行支配調役・鵜飼弥一、徒目付・斉藤次郎太郎であろうか。(ベアト撮影)