長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:6268 金比羅山
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
目録番号:6268 金比羅山
■ 確認結果
目録番号:6268「金比羅山」は、タイトルを長崎市中央部の山、標高366.3mの「金比羅山」としている。この古写真のポイントは、見事な三角な山で右斜面は伐採されている。山頂から中央に降り、右方へ伸びる尾根と岩がある。左端には薄く別な尾根が覗く。ある程度、山頂を近くから撮影している。
山の形からすぐ「金比羅山」と思われるが、ハタ揚げ広場へ行って山頂を見ても、「金比羅山」は、尾根の続きがやや合わないように感じた。鍋冠山、彦山など探したが、どうも違うようである。
3枚目の古写真は「金比羅山の賑わい」。長崎文献社「続・アルバム長崎百年」昭和58年刊50頁に小林勝氏撮影のハタあげ風景としてあった。年代不明。
私の疑問は、古写真の中央尾根右側に写る岩。この岩の形が、現在は違うのである。「ドンク岩」または眺めた形から最近は「ヒヨコ岩」と呼ぶ人もいる。
考えてみると、ボードインコレクション撮影当時から、岩の左側が崩落し、現在の形になったのではないだろうか。そうすると、岩が位置的に合い、やはり古写真は「金比羅山」となるだろう。
現在の岩を近くから撮影した写真を、最後に追加した。