長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:3482 博覧会場の寺山門
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:3482 博覧会場の寺山門
■ 確認結果
目録番号:3482「博覧会場の寺山門」は、「撮影地域:未詳」「撮影時期:未詳」で画像解説がない。寺山門の柱に掲げられた看板の字を拡大すると、たしかに「博覧会」とある。
この寺は京都府下京区にある「西本願寺」で、明治4年(1871)に開かれた日本初の博覧会の会場となった写真である。
この項は次のウェブに記事がある。 http://www.tanken.com/kyoto.html
観光都市「京都」誕生
明治2年(1869)に東京へ都が移ると、京都は人口が急減し、産業も衰退の一途をたどってしまいました。
そこで、京都復興の手段として考案されたのが、博覧会の開催でした。明治4年(1871)に開かれた日本初の博覧会は好評で、翌年には、「第1回京都博覧会」としてさらに大がかりのものが開催されたのです。当時のビラにはこう書いてありました。
《西洋諸国に博覧会とて、新発明の機械古代の器物等を普(あまね)く諸人に見せ、智識を開かせ、新機器を造り、専売の利を得さしむる良法に倣ひ、一会を張らんと、御庁に奉願、和漢古器を書院に陳列し、広く貴覧に供せんことを思ふ……》(原文カタカナ)
西本願寺で開催された博覧会。右は入口部分の拡大写真(明治4年)…