長崎外の古写真考 目録番号:2042 山の中腹より湾を望む(1) ほか

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:2042 山の中腹より湾を望む(1) ほか

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
整理番号46番台の一連の作品を見ている。

目録番号:2042 山の中腹より湾を望む(1)
〔画像解説〕
三重県内(場所は不明)の山の中腹から、伊勢湾を望む。

目録番号:2043 山の中腹より湾を望む(2)
〔画像解説〕
整理番号46-136の写真のアングルを右側に振ったもの。

目録番号:2026 山頂から眺望する海辺の遠景
〔画像解説〕
小高い山地の上から眼下に海辺を眺望する。右手前から左奥にむかい、山裾に沿って谷川が流れ、下流に扇状地が形成されている。扇状地には整備された田地が見え、農耕が営まれている様子。海は穏やかで、対岸の丘が霞んで見える。

■ 確認結果

目録番号:2042「山の中腹より湾を望む(1)」は、「三重県内(場所は不明)の山の中腹から、伊勢湾を望む」。次の目録番号:2043「山の中腹より湾を望む(2)」は、「整理番号46-136の写真のアングルを右側に振ったもの」と画像解説があり、この2作品はパノラマ写真となる。

繋ぎ合わせて、3枚目の古写真の目録番号:2026「山頂から眺望する海辺の遠景」を見てみよう。パノラマ写真の中央部と同じ光景である。したがって、3枚目の古写真は「撮影地域:京都」とならない。京都の琵琶湖側にこのような島はない。目録番号:2043の後の作品が、二見ヶ浦の夫婦岩や伊勢神社参道を撮影しているから、奈良から三重へ行っている。

パノラマ写真は、「伊勢湾」でも鳥羽市の前面の島を写している。右が「坂手島」、中央が「答志島」、左は「浮島」「日向島」あたりであろう。手前の海岸は、鳥羽市街側の「小浜口」ではないか。
撮影場所は、鳥羽から二見ヶ浦へ向かう旧県道の峠の高台からと思われる。地図に示したが、現在の伊勢志摩スカイライン料金所のすぐ先あたりとなる。

適当な写真がないので、HP「伊勢志摩きらり千選」から、峠の麓となる「扇野展望台」からの展望を載せる。展望が似ていることがわかるだろう。山本周五郎の小説「扇野」にちなんで「扇野の里」と呼ばれる。扇野展望台とめだかの学校は、樋ノ山の中腹に立つホテル扇芳閣の直ぐ上にあり、同ホテル社長の谷口仙二氏が余暇に自力で、平成12年4月完成させた施設だそうだ。

なお、撮影年代は異なるが、同じ場所から撮影したと思われる「鳥羽港」の写真が、「写真の中の明治・大正 −国立国会図書館所蔵写真帳からー」に掲載されている。同データは次のとおり。
掲載資料 日本之名勝   刊行年 明33  請求記号 YDM23032
住所表記(明治期) 志摩郡鳥羽町  住所表記(現在) 鳥羽市