蒲生のクス 姶良郡蒲生町上久徳
鹿児島県には巨樹が多い。特に国指定特別天然記念物「蒲生のクス」は、昭和63年度環境庁「巨樹・巨木林調査」によって、日本一と証明された巨樹。
蒲生八幡神社の境内上部、拝殿すぐ左下の広場に立つ。鹿児島市から車で約40分。鹿児島空港から約30分。蒲生町役場まで行くと、蒲生八幡神社はすぐ近くにある。
かごしまの名木 50 愛称 蒲生のクス 樹種 クスノキ
所在地 姶良郡蒲生町上久徳 所有者 蒲生八幡神社
幹周 24.22m 樹高 30m 樹齢 1500年 本数 1本
現地説明板は次のとおり。他HP資料から参考のため「全国巨木リスト上位60位中の鹿児島県の巨木全国順位」表を掲げた。後ろの写真は同神社境内のカヤ、ムクロジの大木。
国指定特別天然記念物 「蒲生のクス」
大正11年3月8日(国天然記念物指定) 昭和27年3月29日(国特別天然記念物指定)
推定樹齢 1500年 樹高 30.00m 根廻り 33.57m 目通り幹廻り 24.22m
「蒲生のクス」は、昭和63年度に環境庁の巨樹・巨木林調査によって、日本一の巨樹であることが証明された。
樹幹の下部には凹凸が多く、内部には直径4.5m(約8畳敷)の空洞がある。枝張りは四方に広がり、その壮観な様は、まるで怪鳥が空から降り立った様である。
保安4年(1123)閏2月21日に、蒲生院の領主であった蒲生上総介舜清(しゅんせい)が豊前国宇佐八幡宮を勧請して、この地に正八幡若宮(蒲生八幡神社)を建立した。その時すでに「蒲生のクス」は、神木として祀られていたという。
伝説では、和気清麻呂が宇佐八幡の信託を奉上し大隅に流された時に蒲生を訪れて、手にした杖を大地に刺したところ、それが根づき大きく成長したものが「蒲生のクス」だとも言われている。また、出水地方に残る伝説では、悲しき恋愛物語によって「出水の大楠」と「蒲生のクス」は互いに相思の楠であるとも言われている。
これまでの長い歳月や自然災害の影響で「蒲生のクス」の樹勢に衰退が見えられたため蒲生町では、この歴史的遺産を末永く保護し後世に伝え残していこうと、平成8年度から4ヶ年計画で国庫補助事業による「蒲生のクス」保護増殖事業を実施した。
蒲生町教育委員会
全国巨木リスト上位60位中の鹿児島県の巨木全国順位
順位 市 町 村 樹 種 俗 称 幹周(cm)
1 蒲 生 町 クスノキ 蒲生の大楠 2,422
3 大 口 市 エドヒガン 奥十曽のエドヒガン 2,100
10 志 布 志 市 クスノキ 志布志の大楠 1,710
12 上 屋 久 町 ス ギ 縄 文 杉 1,610
13 川 辺 町 クスノキ 飯倉神社のクスノキ 1,600
29 高 山 町 クスノキ 塚崎のクス 1,400
38 屋 久 町 ス ギ 紀 元 杉 1,350
49 川 内 市 クスノキ 大 楠 1,300
59 鹿 児 島 市 クスノキ 城山のクス林 1,290
資 料:昭和63年度環境庁第4回自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)
「巨樹・巨木林調査報告書」より