「ふるさと」の古写真考 P.115 埋め立て工事(昭和32年)

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「ふるさと長崎市」の古写真考 P.115 埋め立て工事(昭和32年)

長崎市制施行120周年記念写真集「ふるさと長崎市」(長野県松本市(株)郷土出版社2008年12月刊)に収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。
確認が済んだものをその都度、最新の写真の状況を添えて報告したい。気の向くままの調査のため、掲載順は不同である。

交通体系の完成と発展する長崎  P.115 埋め立て工事(昭和32年)
〔写真説明〕
深堀(写真手前)ー香焼(写真中央)の埋め立て工事で、深堀城山から撮影されている。写真はまだ途中段階のもので、香焼島に深浦・長浜の旧海岸線をみることができる。中央右の山は高岳で麓の工場は川南造船所である。また、中央にある島は松島であるが、このような島々は埋め立ての際に姿を消していった。香焼島の先にみえる島は沖ノ島である。(撮影:大塚○氏)

■ 確認結果
「深堀城山から撮影されている」と説明しているが、深堀城山(標高350.4m)の山頂は、木立があって展望はどこも効かない。正しくは山頂から北へ尾根を緩やかに10分ほど下った愛宕神社跡の広場からである。
この高台からの展望はすばらしく、伊王島から長崎港口にかけての景色が広がり、深堀の町と三菱造船所香焼工場の全景が俯瞰できる。

香焼島の先に見える島(古写真左上の島)を、「沖ノ島」と説明している。これは間違いであろう。沖ノ島の上の島「伊王島」である。伊王島のこの海岸埋立地が現在の「やすらぎ伊王島 長崎温泉」となっている。
最後の写真は、深堀ー香焼埋立地内に今も残るかつての岩礁「女島」神社。