長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号: 253 和船(1) ほか
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」に収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
目録番号: 253 和 船(1)
目録番号:1276 和 船(3)
目録番号:3233 和 船(9)
目録番号:2880 高鉾島(13)
目録番号:5713 和 船(12)
■ 確認結果
条件に「和船」と指定して探すと、全国の「和船」関連作品が31点出てくる。このうちの長崎関係の5点。「稲佐崎」は後日、別項にまとめる。
目録番号: 253 和 船(1)は、現在のJR長崎駅裏付近から写す。稲佐山と長崎ロープウェイ付近の山がよくわかる。旭町「志賀の波止」の対岸となった大黒町あたりからか。
撮影地域は指摘により長崎となっているが、具体的な撮影場所の説明がない。
目録番号:1276 和 船(3)は、現在の丸尾町丸尾公園から旭町商店街あたりを写す。ここは「稲佐崎」と「丸尾山」に囲まれた入江となっていた。旭町に松の木根元の石祠が恵比須神社となり、また、この古写真の坂道が残る。背景は浜平方面の上の山の尾根。
目録番号:3233 和 船(9)は、現在の丸尾町公園から長崎駅方面を望む。目録番号:1276 和 船(3)と同じところ。ここは「稲佐崎」と「丸尾山」に囲まれた入江となっていた。カメラの向きが変わっただけである。
目録番号:2880 高鉾島(13)は、現在の戸町1丁目。トンネルを出て国分町の方へ行き少し高台に登って写す。「戸町番所跡」の最も南側となる。女神と神崎との間の港口の先に高鉾島を望む。
目録番号:5713 和 船(12)は、現在の戸町1丁目の高台から写す。撮影地域は「未詳」となっているが、目録番号:2880 高鉾島(13)とまったく同じところである。中央に和船が入ったので、高鉾島が見えなくなっただけである。
戸町などから同じように「高鉾島」を写したのは、43点あるが、左から張り出した尾根をほとんど「女神の尾根」と一括説明している。
「女神」でなく、実際は1つ手前、戸町入江側の現在、造船所がある一帯の尾根である。