住吉神社のクスノキ 壱岐市芦辺町住吉東触
郷ノ浦港から国道382号線により勝本方面に向かう。ちょうどその中間くらい、国道右脇に「住吉神社」の大きな鳥居が見え、鳥居の先に神社へ下る車道がある。
明治4年、国幣中社に列格。壱岐唯一の官社となった。境内にはクスノキの大木のほか、サクラ・スギ・ヒノキの古木が神社を囲み、原の辻の広大な平野を潤す幡鉾川の源流となる。
芦辺町「芦辺町史」昭和50年刊、第9章芦辺町の文化財939〜940頁及び971頁による説明は次のとおり。
住吉神社のクスノキ(2本) 町指定天然記念物
昭和51年(1976)1月1日指定 住吉東触470番地 住吉神社所有
クスノキは、暖地に多く自生する常緑高木で、非常に大形の木となり、多数の年月を経るものがある。葉は互生し、卵形で光沢があり、側脈が明らかでやや3主脈状にみえる。5月ごろ小さな花を開き、11月になると、果実をつける。木全体によい香りがあり、材に用いて種々の器具を作り、また樟脳を採り薬用とする。
この境内の鏡池のほとりに繁茂しているクスノキは神木として住民から慕われている。『壱岐名勝図誌』によれば、「此楠に現人神鎮坐せり。枝葉ことに繁茂せり」と記してあり、壱岐で一番大きなクスノキと思われる。
またもう1本のクスノキは、儀式殿の前にあり、地上すぐのところから2幹に分かれ、古くから、夫婦楠として住民から喜ばれてている。
鏡池のほとりのクスノキ 目通り 5.20m
儀式殿前のクスノキ 目通り 4.00m 目通り 3.40m
住吉神社のスギ 未指定文化財
…このスギは、本殿の左前に、まっすぐに幹がそびえ、根元から1m余りは、腐葉土に埋まっているが、樹勢もよく安国寺のスギに次いで大きいスギとして、見学者も多い。