浦上ダムの川平導水路及び導水トンネル  長崎市川平町

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浦上ダムの川平導水路及び導水トンネル  長崎市川平町

日本は昭和初期頃から軍国主義的な方向へ向い、この影響は長崎にも大きく及んだ。造船を始め軍需関係の工場が多くなり、工業用水の確保と人口増加による給水の対応が急務となった。
第3回拡張事業(昭和16年9月〜昭和20年2月)により完成したのが、「浦上ダム」である。当初は家野郷二郷橋付近に建設する計画もあったが、水質が良く集水面積が大きい浦上川支流の現地点の場所にダムが建設された。

浦上ダムの場所は、滑石峠に源を発する滑石川の下流域大井手川。西浦上小学校前で川平方面から来た浦上川本流と合流する。
従って、浦上川本流の水は川平郷に取水堰を設け、導水路及び導水トンネルによって浦上ダムに導かれることとなり、ダム建設と同時にこの工事は施工された。
ダム下には「浦上浄水場」ができた。配水池は地形と防空的関係から地下に造られ、日本最初のトンネル式配水池となったが、資材と労力不足により未完成となった(鹿尾配水池は完成)。

取水堰は、川平町市営住宅先の浦上川本流にある。導水路は同住宅の裏手をまっすぐに通って、けやき台進入道路の下に導水トンネル入口がある。隧道区間は860m。
導水トンネル出口はダム堰堤先のバス停「浦上水源地公園」の所らしい。ここの公園下なのか、湖面にあるのか、見ることはできなかった。

浦上ダムは貯水量増加のため、1958年(昭和33)に堰堤が1m嵩上げされた。三組川内にも取水施設が造られた。
「長崎水道百年史」長崎市水道局1992年刊242頁による説明は次のとおり。

第7章 戦時下の水道  第3節 第3回拡張事業
工事方法
今次計画の第3回拡張事業工事概要を表示すれば次の如し
浦上川水系
水  源  本流導水路 (隧道860m、開渠300m) 支流は直接流入
貯水池  容量1,620,000㎥
堰  堤  混凝土造重力式  堤頂長95m  堤高 河床上17.5m