龍ヶ岳の山神の一本杉 上天草市龍ヶ岳町高戸
「ふるさと熊本の樹木」登録樹でないが、上天草市龍ヶ岳町高戸の龍ヶ岳(標高470m)登山路に推定樹齢600年という大スギがある。上天草市指定天然記念物。
国道266号線により龍ヶ岳町の中心に入る。上天草市消防局東天草分署前に「龍ヶ岳登山口」バス停があり、九州自然歩道を歩いて山頂までは約3kmである。
「山神の一本杉」はこの途中、登山口から15分ほどのところにある。本谷の橋を渡った小広場に山神の祠が祀られ、背後に老木が立つ。
上天草市教育委員会編「上天草市の文化財」平成18年刊39頁による説明は次のとおり。
コース説明は、吉川満著「熊本県の山」山と渓谷社1997年刊102〜103頁から。
天然記念物 山神の一本杉
市指定:平成9年1月24日 龍ヶ岳町高戸
推定樹齢600年。幹囲6m、樹高約30mの大樹です。高戸の勝浦地区から龍ヶ岳山頂へ登る中腹に自生しています。
幹の根元には祠が祀ってあります。これは昔、一人の修験者がやってきて、一本杉の根元で寝泊りし修行に励んでいました。里人たちが気の毒に思い、そこに小さな小屋を建ててあげました。修験者はその行為に感激し、死ぬ間際まで里人たちの災難除去や病魔退散の祈願をいたしました。里人たちはその死を悼んで大杉の根元に祠を建てその霊を厚く弔ったといいます。山の守り神として祀られています。
48 龍ヶ岳★……470m 観海アルプス一の雄大な展望が開ける山
…龍ヶ岳町高戸字勝浦の竜ガ岳登山口バス停が唯一の歩いて登る道である。…龍ガ岳登山口には谷川が流れ左岸の舗装路に入る。すぐ舗装は切れて右上に階段があり、りっぱな遊歩道が続く。早春にはツバキが咲き、ツワの若芽ものびる。秋には黄色い花が咲き、足もとにはドングリの実が踏場もないほど落ちている。また野鳥の多いコースでもある。
小谷沿いの道はコンクリート丸木段で歩きやすい。2つの小橋を渡ると本谷を左へ渡り、正面には多くの枝を張った老スギがあり、根元には山の神が祀られている。ここから谷を離れ左上の尾根を目指す。…