大島子のアコウ 天草市有明町大島子
天草市本渡の中心通りから国道324号線により天草上島の方へ向かう。天草瀬戸大橋を渡ってから熊本市方面へ同国道を有明海沿いにそのまま進み、約6kmで有明町へ入る。
最初の集落が大島子で、同バス停から大島子小学校の道に左折し、まっすぐに大島子漁港まで出る。右角の広大な敷地に住家があり、ここが「対岳楼跡」である。アコウは大樹3本ほどが石垣の中に並んで幹があった。有明海をへだてた雲仙岳は、雨にけむって見えなかった。
熊本県自然保護課「ふるさと熊本の樹木」資料による説明は次のとおり。
登録番号 No.100 登録 昭和58年12月10日
大島子のアコウ
所 在 地 天草郡有明町大島子字下2626ノ1
登録時の状況 幹の太さ 8.5m 樹高 15m
枝張り 南北40m×東西20m 樹幹 太枝分岐 樹勢 良好
幕末時代、志柿村庄屋永野氏が大島子の海岸に三層の別邸を営んでいた。風光絶景の有明海をへだてて雲仙岳と対峙しているところから対岳楼と名づけたのである。
歌人の中島広足その他全国の文人が来遊し、多くのすぐれた詩歌を寄せた。亜熱帯樹のアコウの群落がそのころから自生しており、対岳楼に一層の風致をそえていた。