庄屋跡のイチョウ 東彼杵郡波佐見町宿郷
東彼杵郡波佐見町宿郷にある。道路がわかりにくいから県道4号線の宿郷交差点まで行き、右折して武雄方面県道1号線に入るとすぐ波佐見町役場入口。
庄屋跡のイチョウはこの県道1号線の道路反対側、裏通りにあるので歩いて行く。根元辺りは家が建て込んで、巨木が映えないし写真が写しにくい。町指定天然記念物。
Otoji.K氏HP「長崎の名木」リストの中の説明は次のとおり。
波佐見町庄屋跡の大イチョウ
幹周り5.3m、樹齢およそ450年のイチョウ。雌株。波佐見町で最も古い樹木で、町の天然記念物に指定されている。宿郷にある。昔は高等小学校の運動場であったようだが、今では住宅地に変わり、ちょっと窮屈そう。
なお、波佐見町「はさみ100選 ガイドブック」1987年刊18頁による説明は次のとおり。
6.庄屋跡の大銀杏(宿 郷)
宿郷の旧道端にあるのが庄屋の大銀杏といって、江戸時代から親しまれました。上波佐見の庄屋屋敷にあって目印となっていたのです。波佐見村の庄屋は、岳辺田郷平瀬にあったのですが、村が藩内で一番広いので一カ所の庄屋では行き届かぬため、ここに新たに庄屋を建てたのが、四代藩主純長のころです。
庄屋では、藩に納める年貢米や運上銀(税)が集められ、毎年正月には村中の人に踏絵(キリスト教信者を見分けるためキリストやマリア像を踏む)が行われました。前には辻札が立つ所もありました。
明治になって庄屋は戸長役場、村役場と変わりましたが、上波佐見行政の中心であったのです。明治22年には上・下両波佐見村が合同して高等小学校を建てることになり、それに鹿山小学校が合併し、二階建の洋式校舎が建ったのも庄屋屋敷内でした。大銀杏は運動場内に立っていました。(昭和34年廃校)
大銀杏は、周り4.8m、樹齢300年とされています。江戸時代から明治、大正、昭和と時勢の移り変わりをよく知っているこの大銀杏は町の宝です。