長崎の幕末・明治期古写真考 幕末明治の長崎 14P 幕末長崎のパノラマ写真
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
「古写真に見る幕末明治の長崎」 明石書店2014年6月刊
14P 幕末長崎のパノラマ写真。1864年フェリックス・ベアト撮影
■ 確認結果
姫野順一氏著「古写真に見る幕末明治の長崎」が、明石書店から2014年6月発行されている。本書は、2007年から2013年まで朝日新聞長崎版に毎週1回、5年9ヵ月に亘って連載された長崎古写真の解説記事「長崎今昔」から、後半部分をテーマに沿って再編集している。
著者の解説は、新聞掲載時から疑問が多かった。そのつど本ブログ古写真考前の記事で指摘済みで、一部は修正されているが、刊行本の内容で再び問題となる作品を取り上げる。正しい解説をお願いしたい。
14P 幕末長崎のパノラマ写真。1864年フェリックス・ベアト撮影
長崎大学古写真データベースでは、目録番号:6158「長崎鳥瞰」。ボードインコレクションによる解説は、次のとおり。「撮影者:A.F.ボードイン」、「撮影年代:1865年頃」のままとなっている。
慶應元年(1865)頃撮影された長崎市街の鳥瞰写真です。中央には新地蔵、左手には出島の建物がよくみえます。出島の後の茂みには長崎奉行所西役所の建物も見えます。右手には、元治元年(1864)年8月に完成した分析究理所が見えます。全体的に江戸時代の長崎の姿が鮮明です。浦上の湾奥には干潟が確認できます。
-6158-
撮影者が「F.ベアト」、撮影年代が「1864年」と判明した理由の説明をお願いしたい。
目録番号:4878「星取山から見た長崎港(1)」に、ベアト撮影の同じような小島養生所建物を写した作品があるが、この拡大でもない。関連が不明。
目録番号:6158「長崎鳥瞰」の解説を正しくするのであるなら、まずデータベースを修正してから、発刊をお願いしたい。
この項は、本ブログ次記事を参照。 https://misakimichi.com/archives/1928