長崎の幕末・明治期古写真考 長崎古写真 稲佐崎?
長崎大学附属図書館幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
NAGASAKI GENEI
長崎古写真 不明 長崎あるいは例外 稲佐崎?
目録番号: 5519 ホテル・ヴェスナーと桟橋
〔画像解説〕
稲佐お栄(道永えい)の経営していた「ホテル・ヴェスナー(春)」とそこに登るための桟橋。ホテルは明治26年(1893) 11月に完成した。現在の旭町・浜崎水産アパートの場所で、崖地の下を道路が通っている。背後が稲佐山である。この写真から当時の地形とホテルの場所がよく分かる。写真下の桟橋が「お栄の桟橋」。
■ 確認結果
「NAGASAKI GENEI」というサイトがある。ウェブ検索でなかなか表れないが、長崎の貴重な古絵葉書や古写真を多数、公開されている。
タイトル以外、特に説明がない。撮影地など一般にわかりにくいものを、取り上げ考えてみる。
長崎古写真の中にある「不明 長崎あるいは例外」の4枚目は、稲佐崎の海岸を長崎港奥の対岸から撮影しているのではないだろうか。稲佐崎の先端に、ホテル・ヴェスナーのような建物屋根が写り、海岸に白い桟橋がある。現在の写真は、稲佐橋の手前から写した。
背後の稜線は、稲佐山の中腹尾根だろう。悟真寺の方へ回って手前の市道から、ホテル清風・大鳥町・丸尾町方面を写してみた。対比写真のとおり、稜線は合う。
最後の写真は、稲佐崎のホテル・ヴぇスナー跡地。現在はマンションが建っている。