平 尾 台 福岡県北九州市
国指定文化財等データベースは、現在、臨時メンテナンス中で利用できないため、「福岡県の文化財」による解説を載せる。
平尾台 国・天然記念物
【詳細】
名称 平尾台
フリガナ ひらおだい
所在 北九州市
指定年月日 昭和27年11月22日
【説明】
平尾台は南北約6km、東西約2km、その周辺が約40度の急斜面によって囲まれた標高300mから700mの盆状台地で、我が国特有の孤立高原カルストであるとともに、特色ある景観を示している。
台地は平尾集落を中心にして、裸出カルストの北東部と被覆カルストの南西部に二分されるが、指定地域は北東部である。台地の石灰岩は無化石であるが、おそらく上部古生代(約2億5千万年前)にできたものと推定され、この下位に黒色ないし緑色千枚岩を主とする変成岩がある。この石灰岩に接して閃雲花崗岩または花崗閃緑岩があり、硅灰石やザクロ石等のスカルン鉱物を生じ、金、銀、銅、硫化鉄等の金属鉱床を形成している。この他多くのアプライト岩脈や岩床があるため、あたかも白羊が群れているような美観を加えている。石灰岩の溶蝕によってできたドリーネは、石灰岩の走向あるいは裂罅(れっか)や節理の割れ目に沿って配列されており、その密度が大きい。このドリーネから流れた水は、基盤岩に近いところで洞床流となり、各鍾乳洞の瀑布となって放出している。
また、平尾台は地質だけでなく植生も石灰岩地帯特有の分布を示しており学術的に貴重である。