西椎屋の大イチョウ 宇佐市院内町西椎屋
院内と玖珠を結ぶ国道387号により西椎屋に行く。高架大橋先から下って集落へ入る。車道をまっすぐ進むと、奥に駐車場と西椎屋神社がある。社殿左に大イチョウが立つ。
梵鐘は、西椎屋の滝の旧本堂となる「大龍寺の梵鐘」。戦時中供出されたが、福岡県芦屋町で偶然発見され、地域住民の願いで里帰りした。西椎屋神社手前の公民館用地が寺跡のようだ。
大分県森との共生推進室HP「豊の国の名樹」による説明は次のとおり。
特別保護樹木 52.西椎屋の大イチョウ
樹種名 : イチョウ
樹 齢 : 1600年
樹 高 : 34.0m
幹 周 : 11.20m
所在地 : 院内町大字西椎屋
所有者 : 西椎屋神社
来 歴
院内町大字西椎屋字鹿の上、旧村社椎屋神社境内、拝殿西側に聳える巨樹。ご神木。県指定特別保護樹木。町指定天然記念物。雌木。
幹の南側は、大正一四年七月八日の大雷雨により裂落し、残存主幹を中心に一二本の萌芽枝・株生木が分岐し癒着して株状になっている。
当社は社記によると、大正二年(1574)、当所に鎮座していた菅原天満宮に、字十ヶ平に在った貴船神社を合祀して西椎屋神社と改称。後椎屋神社と呼称するようになったという。伝承によれば、天平のころ(729〜749)、西椎屋の滝壺に大蛇が棲み、里人から恐れられていた。あるとき、竜神を祀れば鎮まるとの託宣があったので、高おかみ神ほかの水神を祭神とする貴船神社を合祀したところ、大蛇が姿をみせなくなったという。年号にずれがあるが、伝説、伝承のロマンでもある。
拝殿前にスギ三本、イチョウ二本、ケンポナシ一本の巨樹があり、目通り周囲は260〜310cm、推定樹齢は250〜300年。付近に灯籠二基建立。宝永元年(1704)、正徳二年(1712)献納の銘がある。拝殿造営の記念に、献木、献灯したものとされる。本殿、神殿は合祀後の造営になるもの。環境庁発行「巨樹・巨木調査報告書」(1991年版)によれば、目通り周囲の大きさは県内第二位。第一位は玖珠町平井墓地にあるもの。