長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:2041 町の風景
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:2041 町の風景
〔画像解説〕
家々の屋根が重なり合うように接する古い町並が見える。
目録番号:2149 三井寺から望む琵琶湖(8)
〔画像解説〕
西国三十三所観音霊場の第14番札所、三井寺(みいでら、正式名:園城寺)観音堂から望む大津の風景。中央の水路は飲料水・発電・物資輸送などを目的として、明治23年(1890)に完成した琵琶湖疏水(びわこそすい)。疏水周辺の様子から、完成間もない頃に撮影されたものと考えられる。
■ 確認結果
整理番号46番台の写真(データベース目録番号:1907から目録番号:2097まで197作品)は、中国と日本を撮影した個人アルバムの写真。撮影年代は未詳だが、ほぼ時系順に日本も旅行風景が写されている。
「神戸」とされる作品で、長崎大学側はまだ存知ないと思うが、「長崎」の貴重な写真7点を確認している。 https://misakimichi.com/archives/2218
整理番号46番台の写真は、目録番号では京都「清水寺」、滋賀「石山寺」、奈良「春日大社」あたりが、バラバラに整理されている。
目録番号:2041「町の風景」は、京都「清水寺」からではない。写真の上部に写っているのは、大きな川か、湖か。滋賀県琵琶湖の瀬田川に東大門がある「石山寺」から見た町の風景とも考えたが違う。
現在の展望写真から探すと、大津近く「三井寺からの琵琶湖の眺め」の小さな写真が、少し状景に合う。三井寺観音堂「高観音」からの眺望。古写真でいうと、目録番号:2149「三井寺から望む琵琶湖(8)」。
琵琶湖疏水の完成は、明治23年(1890)。目録番号:2041「町の風景」は、疏水が写っていない。それ以前の撮影か。整理番号46番台に、「三井寺」の写真はない。
撮影者は「三井寺」にはたして行ったのか。「撮影地域:奈良」とはどこだろう?
現在の「石山寺境内図」と「東大門」の写真は、HP「さらえのすしのホームページ 石山寺から延暦寺」から。「三井寺からの琵琶湖の眺め」は、HP「神戸|ニンニク唐辛子の平凡日記」から。