鹿島町の大火のエノキ・梶原家のソテツ 薩摩川内市鹿島町藺牟田(下甑島)
名木を番号順に紹介中なので、記事は下甑島でも上となる北端部の鹿島町へ戻る。
鹿島港フェリー乗り場から県道349号線を少し南へ下ると、鹿島断崖が見られる「藺落(いおとし)展望台」への案内標識があり、薩摩川内市鹿島支所、鹿島小学校前を通る右の道へ入る。
密集した集落内に車を通すためできた道路で、県道から入ってすぐにJA甑支所スーパーがある。先の角地に小さな建物の徳船寺があり、名木「大火の榎」が寺前の道路中央に立つ。
市鹿島支所まで行くまだ手前。近くに「鹿島小学校発祥之地」と長濱街道の里程標石があった。
「かごしまの名木」リストによる説明及び現地説明板は次のとおり。榎の片面が焼けているのは、アップに写し忘れた。
かごしまの名木 38 愛称 大火の榎 樹種 エノキ
所在地 薩摩川内市下甑町鹿島町藺牟田
幹周 1.9m 樹高 10m 樹齢 850年 本数 1本
鹿島村文化財指定(天然記念物第4号) 名称「徳船寺境内及び周辺樹林」
文化元年(1804年)の10月29日に、「大蔵火事」と呼ばれた大火事があり、村の3分の2にあたる約200戸が焼失した。この榎の片面が焼けているのはその時の名残りである。
大木が殆ど姿を消した本村において、この徳船寺境内及び周辺の樹木は、貴重な緑であり、村内に豊かなうるおいを与えている。
本村ではその後、防火に特に注意し、「道中禁煙」を呼びかけ、村民みんなで防火に心がけるようになった。文化財をみんなで守り大事にしましょう。 平成15年3月 鹿島村教育委員会
ここから県道の裏通りとなる路地を鹿島港フェリー乗り場の方へ歩くと、「かごしまの名木」でないが、やはり同村指定文化財だった「梶原家のソテツ」を見かけた。現地説明板は次のとおり。
梶原家のソテツ 鹿島村指定文化財(天然記念物第3号)
そもそも梶原家は、源平争乱後落ち延びてきた平家の一族とも言われ、この地に住み着き郷士となった。このソテツの西側一帯は風雅な築山であったが、時代と共に次々と削られ、ソテツのみ先祖の遺物として保存されてきた。
当時ここは鈴木流の道場があり、柔・剣術の稽古を行い、このソテツの根本が休息場所であったと伝えられている。
樹齢 760年以上 高さ 3m20cm 周囲 5m40cm 平成16年2月現在
平成16年2月 鹿島村教育委員会