長崎の幕末・明治期古写真考 目録番号:5379 愛宕山と愛宕町
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」に収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
目録番号:5379 愛宕山と愛宕町
■ 確認結果
「出雲町と愛宕山」が、以前のタイトル。出雲一帯にこのような格好の山は見当たらない。「山」と「町」の解せない取り合わせ。場所が離れてまったく違う。なぜ、こんなタイトルとなっていたのだろう。
「愛宕山」の方は正しい。思案橋電停から旧「茂木街道」の道が、「正覚寺」前を上がる。この古写真は、東小島町の「正覚寺」境内の片隅か、近くの旧街道途中から、「愛宕山」を撮影したものであろう。
山腹の家並みは、現在の高平町から愛宕1丁目にかけてである。今、ここに「長崎玉成高校」などが建っている。
出雲一帯では、「鍋冠山」がやや似ているが、当時はこのような家並みはない。
指摘によりタイトルを「愛宕町」と変えている。撮影場所を特定して説明してよいのではないか。
近くの鍛冶屋町に「清水寺」がある。目録番号:5186の石灯籠が、「長崎開港初年貿易船船繋石石灯(水前寺)」のタイトルで、熊本水前寺とされていたのも、驚くばかりであった。