蛤水道 神埼郡吉野ヶ里町蛤岳
サイト「近世以前の土木・産業遺産」佐賀県リストによるデータは、次のとおり。私は坂本峠や蛤岳横断線からの林道が通行止めだったため、国道385号から分岐した林道蛤岳横断線で犬井谷登山口まで行き、蛤岳を越して東側山腹にある蛤水道を訪ねた。
蛤水道は長さ約1km。写真のとおり上流から下流まで往復。再び蛤岳に登り犬井谷登山口へ戻ったが、このルートは少なくとも3時間を要する。
蛤水道 はまぐり
(神崎)吉野ヶ里町 蛤岳の井手→田手川 用水路 長1.26㎞,幅1.3m 元和年間(1615-24) 選奨土木遺産 WEB C改修 成富兵庫茂安/余った水を那珂川に流す野越が数ヶ所に設けられた(福岡の水を佐賀で使わせてもらっているため、余った水は福岡に戻す配慮)⇒洪水対策の「野越」と同じ用語を余水吐にも用いている 4 B
「土木遺産in九州-蛤水道-」一般社団法人 九州地域づくり協会による説明は、次のとおり。絵図はHP「蛤水道」から。
蛤水道 はまぐりすいどう 吉野ヶ里町
所在地・完成年等 施設の形式・諸元
●所在地:佐賀県神埼郡吉野ヶ里町 蛤岳 田手川
●完成年:1626年
●設計者:成富兵庫茂安
●施工者:成富兵庫茂安
●管理者:吉野ヶ里町
●文化財指定等:
●水路
●延長:1260m
●幅:約1.3m
●高さ:約1.0m
遺産の説明(社会的背景・歴史的・文化的価値など)
蛤水道(はまぐりすいどう)は、江戸時代初期に鍋島藩家老の成富兵庫茂安が脊振山系の中腹に築いたもので、それまで福岡側へ流れていた大野川の水をため池に貯め、約1560mの長さの水道を作り、佐賀県側へ流れる田手川へ導水したものです。途中に数カ所の野越しと呼ばれる横越流堰を設け、余った水は福岡県側へ流れ落ちる仕組みとなっています。九州自然歩道の永山峠が蛤水道の落ち口であります。水道の途中には成富兵庫茂安の水功碑が祀ってあります。
この水道は、当初は石造りでしたが、現在はコンクリート製で長さ約1kmとなっています。
毎年、5月上旬に三田川町・東脊振村(2006年に合併して吉野ヶ里町)が付近の清掃を兼ねて「兵庫祭り」を行い彼の偉業を称えています。