当尾の穴井手 宇城市松橋町曲野
サイト「近世以前の土木・産業遺産」熊本県リストによるデータは、次のとおり。県道181号松橋町の東部、大鳥交差点手前から当尾小学校の方へ上がる。当尾原の四叉路手前の住宅地から畑道を左下の谷間へ下ると、「当尾の穴井手」がある。「猫の迫溜池」は訪ねなかった。
市HPの説明板はもう見当たらなかったが、当尾小学校の郷土学習に取り上げられており、場所はここと先生がわざわざ現地案内してくれた。
当尾の穴井手 とうのお
宇城市 素掘トンネル(水路) 長約600m 嘉永5(1852) 市史跡 市教委/現地解説板 保存状態良好 水源(猫の迫溜池)への取水隧道/途中6ヶ所の土揚用の堅穴 1 B
宇城市HPの市指定文化財による説明は、次のとおり。
当尾の穴井手
古保山外当尾の水田迫から、曲野御池の頭部にいたる畑台地の地下には延長500mにおよぶ通水トンネルがあります。普通は「穴井手」と呼ばれています。
天保10年(1839年)松橋新開が築造されたときその用水源である猫の迫溜池が築造されましたが、台地間に挟まれて流入河川もなく周囲の取水面積も狭いものでした。その水源を古保山地先の迫田に求めましたが、池と迫田の間には台地が横たわりそのままでは水の利用ができない状態でした。
そこで台地の下にトンネルを掘り溜池に水を導くことを考え、そのトンネルの線上に5カ所の朝顔形の穴をあけ泥揚げ用や井手浚工の時に利用しました。(現在は圃場整備で整地され2ヶ所となっている。)着想および測量の技術等当時の土木遺跡として貴重な存在です。
嘉永5年(1852年)溜池拡張工事の際に作られたとも伝えられますが、はっきりした記録はありません。
【詳細】
所在地 :宇城市松橋町古保山
駐車場 :なし