深堀城山の善長谷の座禅石  長崎市大籠町

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深堀城山の善長谷の座禅石  長崎市大籠町

深堀の菩提寺、六代賢外普門和尚が座禅を行い悟りを開いた。「座禅石」が寺背後の山、深堀城山(標高350m)の北西側山腹、善長谷に残っているという。

善長集落へは、深堀または平山台から行き、大籠町の迎川橋脇に教会入口の案内標識がある。善長谷カトリック教会前に車を置き、集落の横道により畑地の中を深堀方向へしばらく行くと山腹鞍部に出て4叉路となる。右上の山頂八幡社への参道山道を登ると、すぐ「←お水・座禅石」の標識があり、左へ入る。230歩で座禅石に着く。
幹まわり3.7mのタブノキ老木が横に立つ。お水場はさらに120歩先の沢である。

座禅石には、たしかに五言絶句のような刻字があった。字が小さく読み取れない。深堀の歴史を良く識る有海の森節男氏を訪れて聞いたが、文意を記録したものはない。自分も何と刻んでいるかわからない。菩提寺も同じであった。一度、拓本を取る必要があるだろう。下の谷に二つに割れた石の痕跡を探したが、何もなかった。

中尾正美編「郷土史深堀」昭和40年刊の説明は次のとおり。

(三八) 座 禅 石
菩提寺六代賢外普門和尚が座禅を行い悟りを開いた処で、此の故に禅定谷と呼ばれる様になり訛って善長谷となったとも言われる。此処には五言絶句の石があるが、現在は風化してその文意さだかならずして且つ二つに割れている。座禅をしたであろうと想像される境石をもって仕切ってある。
此処の空をおほふ老木は其の当時のもので今に到るも繁茂しこれを切れば祟があると信じられて誰も伐る者がない。

(三九) 藩主の水
座禅石より東約百米の谷に清水が垂れ落ちている。現在は善長部落の用水に取水されているが、盛夏時には渇水する程の水量である。善長にお水方がいて所要に応じて運んでいた。