水堂安福寺の石階段 佐賀県白石町堤
サイト「近世以前の土木・産業遺産」佐賀県リストによるデータは、次のとおり。
国道207号肥前竜王から大町への県道214号に入り、途中から武雄市への県道268号に入る。安福寺本堂から車で3分の上部に水堂安福寺がある。
水堂安福寺の石階段 すいどうあんぷく
(杵島)白石町 安福寺・旧参道 石階段 長約360m 江戸期? 町教委 保存状態良好(使われていない) 自然石を粗く積んだ長い石階段 1 C
次は水堂安福寺HPから。佐賀新聞平成10年8月7日有明抄よりの記事。
白石町須古の「水堂さん」(安福寺)はお盆を目前ににぎわいを増す。初盆を迎える家族らが仏前に供える霊水を求めてやってくるからだ。ここは白石平野を見下ろす杵島山の中腹にあるわき水が管から流れ出ている小さなお堂は本堂に隣接する。イチョウやクスなどの大木がつくる木陰に、入れ物を手にした順番待ちの列ができる。容器は昔は一升瓶、今は軽くて割れないペットボトルだ。
平安時代、病気に苦しむ高倉天皇の夢の中に観音様が現れる。安福寺の霊水をというお告げに、それを取り寄せて飲んだら治ったという由来がある。参拝者は新仏や先祖の供養に霊水を受けるほか、霊水は腐ることがないと重宝がられている。出水が始まる5月は鹿島地区、7月盆の前は佐世保、有田地区、8月盆の前は白石平野一帯と参拝者に流れがあるのも往時のにぎわいぶりを伝えている。今は茶やコーヒーに最適とミネラルウォーターとしての人気がある霊水信仰は水不足に苦しむ地方にみられるという説がある。
白石平野は有明海が干陸化してできた。水道が普及するまでは飲み水は地下水に頼り、井戸でくみ上げた。日照りが続くと井戸の水は枯れたり、塩辛くなったりした混じり気のない真水に飢えた住民は山のわき水を敬い、霊的なものを感じたというのだ。水は生命の源という切実な思いが込められている。お堂の壁からちょろちょろと流れ出てくる出水はその思いを象徴しているようだ。それにしても今は水をぜいたくに使い過ぎている。