川辺の天然橋  南九州市川辺町上山田柿房虚空蔵岳

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川辺の天然橋  南九州市川辺町上山田柿房虚空蔵岳

鹿児島県教育委員会HP「鹿児島県の文化財」による説明は、次のとおり。

天然橋
【所在地】南九州市川辺町上山田柿房虚空蔵岳
【種 別】県指定天然記念物
【指定年月日】昭和 29 年5月 24 日

付近一帯の地形は 300 〜 400m の低平な山地と,その周囲を取り囲むように分布するシラス台地からなる。山地は基盤をつくる四万十累層群と,それを覆う数百万年前の南薩層群に属する火山噴出物でつくられている。
天然橋は,虚空蔵岳の頂上付近の,安山岩質凝灰角礫岩層を東西にまたいだもので,長さ8 m,高さ 3.3mあり,アーチ型をしている。橋床から橋上まで高さ 10m,橋上の幅 3.5mで,人が自由に往来できる広さである。
この天然橋は,風雨による長年にわたる浸食作用の結果できたもので,凝灰角礫岩の割れ目に雨水がしみ込み,それが徐々に拡大してついに穴が形成され,アーチ型になったものである。このような天然橋は全国的にもまれであり,本県では唯一のものである。
アーチ部分から南薩山地と,それをとりまく平野を望むことができ景観がよい。また,かつては修験の場となったことがある。

以下は、虚空蔵岳の天然橋登山道について、2014年10月17日午前中の私の探訪記録。林道から登山道に入るところにバイクを置いて、道を探しながら往復約2時間を要した。

最近はほとんど訪れる人はいなく、登山道は荒れてわかりにくい。県指定天然記念物というのに、鹿児島県・南九州市・同川辺支所は放置したままである。常に草刈りをと要望するわけではないが、外れた標識の再整備と、主な分岐の道の木に目印テープ巻きくらいはお願いしたい。ほかのHPでも天然橋の詳細はあまりない。行政や地元の人もほとんど知らない。前回9月17日は日没のため中途断念。事前研究のうえ長崎から再挑戦してやっとたどり着いた。

天然橋のだいたいの場所(緑▲地点)は、末尾の地形図に示した。枕崎から国道225号で行く。大丸小前の南約1kmくらい手前に「天然橋入口」の古い大きな標柱が立つ。東側林道へ入り「あと800m」は直進。さらに奥の林道二叉路の間に標柱があり、これから登山道に入る。ほどなく道に落ちた「あと70 m」標識がある。これは
「700m」の「0」が剥げているのではないか。この分岐も直進する。植林地内の急な道を登り、少しカーブした先に、右手に上がる分岐道がある。肝心な標識がここにない。

分岐道の方へ入るが、これからが難路。木道跡と確認され、谷間を藪をかき分け踏み跡を辿る。やがて横道と合う。長く張られた斜面ロープを伝い、ここもまっすぐ登る。登りきったところに「あと20m」と標識があり、この上の岩場が「天然橋」だった。橋のアーチ上部には、右手雑木林から登って渡られる。南薩山地などの展望が良い。虚空蔵菩薩は場所標識がないが、この天然橋一段下の北側岩場の洞穴に安置されているから、踏み跡を下へ辿り回り込んで行く。地形図では天然橋のあるやや小さなピークが、「虚空蔵岳」という意味と思われる。

HP「鹿児島フィールドミュージアム」による説明は、次のとおり。

川辺天然橋
南九州市川辺町にある虚空蔵岳(標高280m)の尾根筋にあります。南薩層群の安山岩質凝灰角礫岩からなり、長さ8m、高さ3.3mのアーチ型をしています。橋上までの高さは10m、橋の幅は3.5mですから、自由に歩いて渡ることが出来ます。このような天然橋は珍しく、鹿児島県内では唯一です。角礫の大きさは最大50cmもあり、大変淘汰が悪く不揃いです(写真右下)が、この割れ目に雨水が染み込んで浸食されて出来たと考えられているそうです。
アーチ部分からは金峰山など南薩山地や平野が一望され、眺望絶佳です(写真左下)。なお、穴の右下には虚空蔵菩薩の石仏があり、疱瘡の神様として、子供が生まれると「ほそん団子」を備える風習があったそうです。(文責・写真撮影:岩松 暉)

行き方:国道225号線を通って川辺町大丸小学校の南約1kmのところに大谷営農研修施設があり、その近くの交差点付近に標柱が建っています。そこを東へほぼ真っ直ぐ行くと、突き当たってから山道になります。かなり急な道をほぼ直線的に登ると頂上付近にあります。途中、伐採用の作業路など広い道と交差しますから、間違えないよう、古い道を進んでください。
県指定天然記念物