羅漢山の奇岩  南阿蘇村河陰

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

羅漢山の奇岩  南阿蘇村河陰

熊本県HPの地域発 ふるさとの自然と文化による説明は、次のとおり。伝説の「恐ヶ渕」が近くにある。
羅漢山の頂上付近に、凝灰角礫岩の自然石橋を見ることができるが、確認には行かなかった。羅漢山の麓から地蔵峠方面へ上がる狭いコンクリート舗装の車道があるが、長くて難路。通行は勧められない。

羅漢山の奇岩(らかんざんのきがん)

所在地 阿蘇郡南阿蘇村大字河陰
解説 中国の山水画を思わせるような久木野の奇岩

○旧久木野村の風土
旧久木野村は、阿蘇カルデラ南郷谷の一部を占め、東西に長く、南北に狭い形をしています。起伏に富み、急峻に見える南外輪山は、その向こう側に住む人々を寄せ付けないかの観を呈していますが、かつては多くの峠道が開かれていました。

○羅漢山の奇岩
久木野中学校の西部に位置する羅漢山では、先阿蘇火山岩類の中の輝石安山岩質凝灰角礫岩を見ることができます。このあたりの外輪山は先阿蘇火山岩類が侵食されて火山体の内部が露出し、中国の山水画を思わせるような特異な地形を作っています。

○凝灰角礫岩とは
火山の噴火が起こると、高温の火山ガスと共に火山灰や火山レキ、火山弾などの噴出物がすごい勢いで飛び出してきます。飛び出した噴出物は、火口の周辺に厚く降り積もっていきます。このようにして降り積もったもの(堆積物)が固まって岩石となっていきます。このとき、堆積したものが火山灰ならば凝灰岩といいます。ほとんどが火山レキからなる場合を火山角レキ岩といいます。火山灰と火山レキなどが混じっている場合にレキの量が多いものを凝灰角礫岩といいます。
また、羅漢山で見られる輝石安山岩とは、どういう岩石でしょうか。地表や地表付近でマグマが固まって出来た岩石を火山岩といいます。火山岩のうち、中間色(灰色)をしたものを安山岩といいます。この安山岩に特徴的に輝石の結晶を含むものを輝石安山岩と呼んでいます。

○なぜ、この特異な形に?
南郷谷側の外輪山は、古い火山が作るカルデラ外側(南側)の斜面が切り立っていて、流れやすい火砕流はとどまることができず、古い火山の稜線が埋め立てられずに残ってしまいます。この稜線は、火砕流に覆われることなく、浸食を受け続けているので、ギザギザした形をしています。
羅漢山の頂上付近には、凝灰角礫岩の石橋も見ることができます。

参考文献
藤崎清一著 久木野村誌編纂委員会編 『久木野村誌第一巻』 久木野村教育委員会発行 1985
久木野村誌編纂委員会 『久木野村誌第二巻』 久木野村教育委員会 1990
松本ゆき夫・松本幡郎 『阿蘇火山』 東海大学出版会 1981
日本地質学会第99年学術大会見学案内書 1992
渡辺一徳 『自然と文化阿蘇選書 阿蘇火山の生い立ち』 一の宮町 2001