長崎の幕末・明治期古写真考 長崎手彩色古写真 女神の小島
長崎大学附属図書館幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。
NAGASAKI GENEI
長崎手彩色古写真 69 高鉾島
長崎古えはがき 長崎女神検疫所
目録番号:3839 女神検疫所
〔画像解説〕
明治後期から大正初期(1900年前後)の長崎港口の女神検疫所の全景。手彩色の絵葉書である。明治13年(1880)年に、長崎市市街地から遠く離れた、長崎港口の女神に外国船のための検疫所が設置された。
■ 確認結果
「NAGASAKI GENEI」というサイトがある。ウェブ検索でなかなか表れないが、長崎の貴重な古絵葉書や古写真を多数、公開されている。
タイトル以外、特に説明がない。撮影地など一般にわかりにくいものを、取り上げ考えてみる。
長崎手彩色古写真の中にある「69 高鉾島」は、写真中央の沖に浮ぶ島が「高鉾島」である。
さて、左手前の小島はどこだろうか。これは、長崎古えはがきの「長崎女神検疫所」や、長崎大学データベースの目録番号:3839「女神検疫所」に写る。
現在の女神大橋交差点、長崎市戸町5丁目「長崎市南部下水処理場」敷地角や国道となったあたりにあった小島であろう。
小島は古絵図の「長崎港警備図」や「長崎港精図」にも表れている。いちばん場所がわかりやすいのは、明治17年測図国土地理院旧版地図である。
島の名前やいつ埋立てられたかは不明である。