段の塚穴  徳島県美馬市美馬町

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段の塚穴  徳島県美馬市美馬町

国指定文化財等データベース及び美馬市HPによる解説は、次のとおり。

名称: 段の塚穴
ふりがな: だんのつかあな
種別1: 史跡
指定年月日: 1942.10.14(昭和17.10.14)
指定基準: 一.貝塚、集落跡、古墳その他この類の遺跡
所在都道府県: 徳島県
所在地(市区町村): 美馬市美馬町
解説文:
山麓ノ傾斜地ニ東西ニ並ビタル二基ノ圓墳アリテ段ノ塚穴トス即チ東ニ存スル圓墳ノ封土ハ底徑約百三十尺高サ約三十尺石槨ハ緑泥片岩及結晶片岩等ノ自然石ヲ以テ築キ玄室ト羨道ノ二部ヨリ成リ全長約四十六尺口ヲ南ニ開ケリ 玄室ハ奥幅十尺、長サ十五尺、最高約十五尺アリ 天井ハ前後ヨリ持送リニ築キ上ゲ左右側壁モ多少内面ニ傾斜シ恰モ寶形造ノ屋根裏ヲ見ルノ觀アリ羨道ハ入口幅約七尺五寸、長サ約二十八尺、高サ約七尺アリ 此ノ圓墳ノ西約八十尺ヲ隔テテ存スル圓墳ノ封土ハ底徑約七十五尺高サ約二十四尺、石槨ノ石材及構造ハ略々等シク全長約三十尺アリテ口ヲ南ニ開ケリ玄室ノ奥幅六尺四寸、長サ十四尺八寸、最高約十四尺六寸、奥壁ノ中間ニ幅約三尺ノ石棚ヲ設ケ 天井ハ側壁略々直立シ前後ヨリ各三枚ノ板石ヲ以テ持送リニ築キ上ゲタリ 羨道ハ入口幅約四尺八寸長サ約十四尺、高サ約四尺三寸アリ共ニ早ク發掘ノ厄ニ遇ヒ遺物ノ徴スベキモノナキモ何レモ椀貸傳説ヲ存シ石槨ノ構造頗ル雄大ナリ

(美馬市HP解説)

国指定史跡「段の塚穴」
段の塚穴は、徳島県美馬市美馬町字坊僧の河岸段丘先端にある2基の古墳のことです。2基の古墳は、どちらも古墳時代後期(約1400年前)につくられたもので、約25mの距離を隔てて東西に並んでおり、東の大きい古墳が太鼓塚古墳、西の小さい古墳が棚塚古墳と呼ばれています。特に太鼓塚古墳は、その石室規模や特異な構造から、四国の古墳時代史解明に欠かせない重要な遺跡であり、昭和17年に徳島県初の国史跡に指定されています。
ここから出土した遺物は、寺町にある美馬郷土博物館に展示されています。

太鼓塚古墳
太鼓塚古墳は、直径約37m、高さ約10mの円墳で、中心部には埋葬施設として横穴式石室があります。石室の規模は、全長13.1m(玄室長4.8m)、高さ4.3m、幅3.4mで、四国最大級の石室規模です。また、その構造は玄室(棺をおさめる部屋)をドーム状にするという特異なものです。

棚塚古墳
棚塚古墳は、直径約20m、高さ約7mの円墳で、埋葬施設として横穴式石室をもちます。石室規模は、全長8.7m(玄室長4.5m)、高さ2.8m、幅2.0mで、太鼓塚古墳と同じく、玄室をドーム状にする。また、玄室奥壁には、古墳の名称の由来と思われる立派な石棚がある。

段の塚穴型石室
太鼓塚古墳、棚塚古墳に共通してみられる特異な石室構造は、段の塚穴の2基のみでなく、旧美馬郡の範囲の古墳に共通してみられる特徴です。この石室は、代表例の段の塚穴の名から「段の塚穴型石室」と分類されており、玄室の天井を斜めに持ち送り、玄室側壁を胴張りにし、玄室をドーム状にすることを特徴とします。また、この型式の石室には、奥壁に石棚をもつものが多くみられます。
段の塚穴型石室をもつ古墳は、分布範囲がほぼ旧美馬郡に限られており、この範囲に後の氏族につながるような同族集団が居住していたことが想定されます。

※石室内部は暗くなっています。見学の際には懐中電灯を用意されることをおすすめします。