元宮磨崖仏 豊後高田市真中
真木大堂から北へまっすぐ進む。真中で豊後高田市方面の県道34号と交差するが、そのまま県道655号に入り、富貴寺方面へ直進する。すぐ左側崖に「元宮磨崖仏」がある。
国指定文化財等データベースによる「熊野磨崖仏 附 元宮磨崖仏及び鍋山磨崖仏」の説明は、次のとおり。いずれもこの地方彫像における一環の関連性をもつものとして価値を有する。
「元宮磨崖仏」は、熊野磨崖仏に付帯し、鍋山磨崖仏とともに国指定史跡となっている。
名称: 熊野磨崖仏 附 元宮磨崖仏及び鍋山磨崖仏
ふりがな: くまのまがいぶつつけたりもとみやまがいぶつおよびなべやままがいぶつ
種別1: 史跡
指定年月日: 1955.02.15(昭和30.02.15)
追加年月日: 1996.03.28(平成8.03.28)
指定基準: 三.社寺の跡又は旧境内その他祭祀信仰に関する遺跡
所在都道府県: 大分県
所在地(市区町村): 豊後高田市大字平野・大字真中・大字上野
解説文:
字登尺と称せられる地域にあり、鋸山の山懐中に存する熊野権現社の境内にあたる岩壁に南面して造顕されている。東方に存する仏像は如来仏の像容を示すもので、上半身のみ露呈しているに過ぎないが、現長約6.80mを有し螺髪をいただき相■もまた雄偉森厳の趣を示し、頭上の後背光の上部に三種の梵字曼荼羅が刻されている。西方約12.5m離れて不動明王像あり現長約8.30mを有し、豪毅な彫風を示し、いずれも平安時代の製作とみなされる。 豊後地方は優秀な磨崖仏の多数分布していることによって顯著であるが殊に本仏像の如きは最も雄大なものであり、頭上の曼荼羅もまた他に類例を見ぬ特異なものであり、この種の磨崖仏としてその価値は高い。
鍋山磨崖仏は同市大字上野にあり、不動明王像及び二童子が刻され、元宮磨崖仏大字眞中にあり、天部像三体童子像一体が刻され、いずれもこの地方彫像における一環の関連性をもつものとして価値を有する。