長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:1110 葬式(3)
HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。
目録番号:1110 葬式(3)
〔画像解説〕
町中を行く葬列。非常にたくさんの人々がカメラの方を見ている。左には僧侶たち、右には人々に担がれた棺が見える。僧侶の近くにあるのぼりには「故石橋老母喜久」と書かれている。
■ 確認結果
目録番号:1110「葬式(3)」の作品は、HP「OLD PHOTOS of JAPAN」に掲載されている。同説明は次のとおり。〔撮影者:日下部金兵衛〕が正しいのではないだろうか。
撮影者: 日下部金兵衛
発行元: J B Millet Company
メディア: 鶏卵紙
写真番号: 70614-0007
1890年代 • 明治時代の葬儀</a>
霊柩車とその周りに大勢の参列者が写っている。場所は東京か大阪のような都会と思われる。幟には「故石橋老母喜久」の名が読める。明治時代、葬儀には通常大勢の人々が参列し、費用もかかった。短い間に一家に続けて二つの葬儀があると、その家は破産すると言われた。社会評論家からの批判、特に車が増えて人々が道路から押し出されるといった社会の変化などで、これらの派手な行事は結局終わりを迎えることになった。