長崎外の古写真考 目録番号: 438 柏原からの富士山(2) ほか

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号: 438 柏原からの富士山(2) ほか

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。

目録番号: 438 柏原からの富士山(2)
〔画像解説〕
柏原は駿河湾に注ぐ勝間田川河口左岸に位置する。河口付近の低湿地帯であろうか、中央の近景に帆船、遠景に富士を配している。撮影者が船上から撮ったのかどうか、気になるアングルである。

目録番号: 499 柏原からの富士山(3)
〔画像解説〕
柏原は駿河湾に注ぐ勝間田川河口左岸に位置する。河口付近の低湿地帯であろうか、左手前に帆船、中央に富士を配している。撮影者は船上から撮ったのであろうか?セイラム・ピーボディー博物館のモース・コレクションの中に同じネガから現像したと思われる写真がある。『モースの見た日本』(小学館)

目録番号:4205 柏原からの富士山(5)
〔画像解説〕
富士市柏原新田付近の浮島沼(沼川の上流)から北方の山頂に雪の積もった富士山を遠望したもの。沼の水は沼川を通り、田子ノ浦に注ぐ。浮島沼の周辺は浮島ケ原の湿地帯で、川舟で移動するため、水路網が発達していた。帆をあげた川舟には男性2人が乗る。

■ 確認結果

目録番号: 438「柏原からの富士山(2)」と、目録番号: 499「柏原からの富士山(3)」は、ほぼ同じ場所から撮影している。カメラ目線は高く、船上からの撮影ではない。現在の富士市柏原新田付近、浮島沼(沼川の上流)沿いの東海道から、北方の沼と富士山を遠望している。
1枚目の目録番号: 438「柏原からの富士山(2)」と、3枚目の目録番号:4205「柏原からの富士山(5)」は同じ写真。

2枚目の目録番号: 499「柏原からの富士山(3)」についても、掲載を略したが、目録番号:2245「東海道沼川からの富士山(1)」、目録番号:2914「田子ノ浦沼川からの富士山(15)」、目録番号:2960「田子ノ浦沼川からの富士山(16)」が同写真としてある。
いずれもタイトル、撮影者など調整が必要。

なお、目録番号: 499「柏原からの富士山(3)」の画像解説にある「セイラム・ピーボディー博物館のモース・コレクションの中に同じネガから現像したと思われる写真がある。『モースの見た日本』(小学館)」460頁の掲載写真は最後のとおり。
「460 和船 Cargo vessel(model) ca.1880」とあり、撮影年代は「1880年頃」となっている。