長崎外の古写真考 目録番号:4899 大津の町並み

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:4899 大津の町並み

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。

目録番号:4899 大津の町並み
〔画像解説〕
高観音(たかかんのん 正式名:近松寺)東方から北西方向を撮影したもの。園城寺観音堂とともに、琵琶湖を望む当時のビュースポット。左手奥には、明治8年(1875)駐屯の陸軍歩兵第9連隊の兵舎が見えるが、同19年着工の琵琶湖疏水工事が未着手であり、この間に撮影されたものと考えられる。

目録番号:2250 三井寺から望む琵琶湖(9)
〔画像解説〕
西国三十三所観音霊場の第14番札所、三井寺(みいでら、正式名:園城寺)観音堂から望む大津の風景。中央の水路は飲料水・発電・物資輸送などを目的として、明治23年(1890)に完成した琵琶湖疏水(びわこそすい)。疏水周辺の様子から、完成間もない頃に撮影されたものと考えられる。

■ 確認結果

目録番号:4899「大津の町並み」は、園城寺観音堂の方が有名だが、画像解説どおり「高観音(たかかんのん 正式名:近松寺)東方から北西方向を撮影したもの」に間違いないようだ。
「同19年着工の琵琶湖疏水工事が未着手であり」とは、園城寺観音堂下からこの古写真の中央あたりに水路はできるが、まだ表れていない。
高観音 近松寺(ごんしょうじ)、園城寺(三井寺)観音堂、琵琶湖疏水の位置は、地図のとおり。

高観音 近松寺から望む大正初期や昭和初期の絵葉書、現在のアングルは、HP「高観音(近松寺)」などから。
三井寺の末寺として栄えた近松寺。近松門左衛門ゆかりの寺。本尊は智証大師の作と伝えられる千手観音菩薩。園城寺で一番高い位置に祀られている観音なので「高観音」と呼ぶ。