長崎外の古写真考 目録番号:1433 原宿の庭

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長崎外の幕末・明治期古写真考 目録番号:1433 原宿の庭

HP「長崎大学附属図書館 幕末・明治期日本古写真メタデータ・データベース」などに収録している長崎の古写真について、撮影場所などタイトルや説明文に疑問があるものを、現地へ出かけて調査するようにしている。順不同。長崎以外の気付いた作品も取り上げる。

目録番号:1433 原宿の庭
〔画像解説〕
純日本風の屋敷の庭園で、日本髪に着物姿の女性が4人、髷を結い羽織袴を着た男性が2人。記念写真風の構図である。

■ 確認結果

目録番号:1433「原宿の庭」は、「撮影地域:静岡」。具体的な場所は、沼津市原にある「帯笑園(たいしょうえん)」。旧東海道の宿場町、原宿の豪農であった植松家の庭園である。
厚木市所蔵のベアト写真集に、「原宿 帯笑園」と題されて掲載されている。

静岡県「しずおかネットテレビ/5ch」しずおかお楽しみ情報による説明は次のとおり。現在の写真も同から。 
帯笑園(たいしょうえん)
沼津市原にある帯笑園は、旧東海道の宿場町、原宿の豪農であった植松家の庭園として造園され、その美しさは幕末の博物学者シーボルトも絶賛したと伝えられています。当時の庭の在り方を示す、貴重な歴史資料ともいえるこの庭は、後世に残すべき日本の園芸文化の遺産です。

なお、慶應義塾大学 高橋信一教授HP「教育の原点を考える」2008年12月の記事 ”朝日新聞社刊「写真集 甦る幕末」の再評価”は、この作品を次のとおり取り上げている。

…1867年富士登山の途中で静岡・原宿の植松家に行った際の写真が有名だが、ここには1858年にポルスブルックが長崎から陸路神奈川に移る際に寄っている。
79  静岡・原宿植松家の人々
9年ぶりの再会である。ベアトが同行した。1858年の際は、たくさんの警備の武士が付いていたが、今回はポルスブルックの恋人が同行するくらい安全になっている。No.169の項で述べるが、No.78に写る女性と同じであり、ヒュースケンでなく、ポルスブルックの恋人であろう。彼らの子供もいっしょだったかもしれない。