区ーO 千々の二ッ岳崎 (確認 長崎要塞区域標 第十六号)
ここに標石らしきものがあることは、千々バス停近く千々川橋たもとの主人から聞いていた。二ッ岳の名のとおり、海岸突端に2つのこぶ状の岩山があり断崖の難所で、海岸伝いも行かれるかどうかとの話であった。
近くまで行けないか日を改めて行った。藤田尾側から干藤トンネルができる前の車道を行く。魚釣りに通った道なので少し覚えがあった。千々海岸へ出るつづら折のカーブ下りにかかる所から、右に二ッ岳崎へ向けたコンクリート農道が入って、下ることとなる。
農道終点のビニールハウスの人は、「石はある。なんて刻んであるか知らない。恐ろしい崖で自分は行ったことがない」と言った。釣りの磯道を聞いて東側海岸へ降り、岩場伝いに二ッ岳崎の最も近くまで行ったが、岩切れ込みの海面と断崖に阻まれ、どうしてもこちら側からは行けない。この日は遠くから標石の姿を見ただけであった。大きさ・高さから言って標石に間違いない。
帰る際、磯道へ下る途中に尾根伝いの細い分れと足跡があった。この道は鼻に通じているようだが、1つの岩山のこぶを越しただけで、崖道に足がすくみこの日はやめた。後日、高橋氏が来た時も、他を回って日暮れとなっていたので、遠くから標石を望んだだけとなった。
万を期し大潮の日に出かけた。4回目となった。尾根伝いに今度は反対側の岩場へ降りた。磯伝いに急峻な岩場を巻きながら、25分して突端岩上の標石にやっと辿り着いた。
標石「長崎要塞区域標」「第十六号」である。帰りは海岸伝いでなく、2つのこぶ岩山を越す道を探した。釣り人はどこでも行くのか、危険な2箇所にロープが張られ、恐る恐る下って登った。岩山の間はキレットとなり崩壊寸前。足場はどこも危ない。釣り人もあまり利用していない。一般に勧められない危険な場所である。高橋氏は後日ひとり、茂木から瀬渡し船で渡って標石を確認している。